最新記事

インフルエンサー

BTSジミンに憧れて「人種を変えた」英インフルエンサー、誹謗中傷で引きこもった過去を明かす

'Transracial' Influencer Oli London Says Trolls Turned Him Into a Recluse

2022年2月2日(水)14時35分
ライアン・スミス
オリ・ロンドン

Oli London-YouTube

<殺害予告を受けたことも。それでも「韓国人であること」にこだわる理由とは?>

韓国発の大人気グループBTS(防弾少年団)のジミンに似せようと、インフルエンサーのオリ・ロンドンは20回に及ぶ整形手術に大金を投じてきた。先月14日に32歳の誕生日を迎えた彼は本誌の取材に対し、物理的に世間から距離を置いていた過去があったことを明かした。

イギリスで白人として生まれたロンドンは(尋ねてきた人にも、そうでない人にも)「自分はアジア人、とりわけ韓国人だ」と宣言してきた。男でも女でもない「ノンバイナリー」であることも表明。TikTokでは68万人以上のフォロワーを抱えている。

過去2年間に行われた派手なインタビューや投稿を通じてトレンド入りし、バズり、そして荒らしに直面──ソーシャルメディアの通過儀礼のすべてを経験してきた。特に誹謗中傷はロンドンにとって耐えがたいものだったようで、一時的にソーシャルメディアから距離をとった。

「人にはそれぞれ意見があるもの。でも容姿やアイデンティティについて攻撃されると、皆に嫌われているような気がしてとても辛い」

「このまま引きこもりになって、家から出ず、何もせず、ネットにも投稿しないでいた方がいいのかなと思っていた」

あまりにも取り乱し、(ほとんどブリトニー・スピアーズと同じように)髪の毛を半分ほど剃ってしまったこともあるという。

「ヘイトに耐えることができず、もうこれ以上人に知られたくなかった」

ビバリーヒルズに滞在していたときには、DMでの脅しによって1週間ホテルから出られなかったことも。

また、彼自身は「全面的に支持している」というトランス・コミュニティからも多くの攻撃を受けてきたと語る。

「皮肉なことだ。だって彼らも攻撃されたり、嫌われたりすることには慣れているだろうに」

(一方で彼は、トランスジェンダーの女性がスポーツ競技に女子選手として参加することについて「不公平だ」とツイートしている)

「韓国人」にこだわる理由

だが、彼には支持者もいる。その中には多くの韓国人も含まれ、彼らはロンドンに向けて「ヘイトに耳を貸さず、自分を貫いてほしい」とエールを送った。

「私はトランスレイシャルだと認識しているし、自分が韓国人だと感じている」

彼の韓国への帰属意識の根底には、英語教師として韓国で働いていた頃の「最も幸せだった」時間を取り戻したいという願望があるようだ。帰国後、8年間に受けた美容整形の総額は約25万ドルと推定されている。

目や鼻先、頬のリフトアップ、あごの骨、脂肪吸引、それに乳首など──。四半期ごとにスキンホワイトニングの注射もしているという。

「私たちは皆、なりたいと望む人になろうとすることを認められるべきだ」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ、東部要衝都市を9割掌握と発表 ロシアは

ビジネス

ウォラーFRB理事「中銀独立性を絶対に守る」、大統

ワールド

米財務省、「サハリン2」の原油販売許可延長 来年6

ワールド

中国、「ベネズエラへの一方的圧力に反対」 外相が電
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    【銘柄】「日の丸造船」復権へ...国策で関連銘柄が軒…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 10
    「住民が消えた...」LA国際空港に隠された「幽霊都市…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中