最新記事

キャリア

起業のよくある質問:借金やSNS炎上が心配なんですが...

2018年2月28日(水)15時48分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

AntonioGuillem-iStock.

<起業したほうがいい、それこそ人生の選択肢を広げる生き方だ――と言われても、未経験者からすれば不安は尽きない>

会社を設立し、売却し、さらにまた会社を設立し、売却し......ということを延々と繰り返す「シリアルアントレプレナー(連続起業家)」。

15歳で最初の起業をし、起業と売却を繰り返してきた正田圭氏(31歳)は、連続起業という「文化」をもっと日本に広めたいと『サクッと起業してサクッと売却する――就職でもなく自営業でもない新しい働き方』(CCCメディアハウス)を上梓した。

連続起業こそが時間とお金の両方を手に入れ、人生の選択肢を広げる生き方だと正田氏は言うが、未経験者からすれば不安は尽きない。借金で周りに迷惑が掛からないか、もし起業に失敗したら就職が難しくならないか、会社はいくらで売るのを目標にすればよいか......。

そういった起業にまつわる疑問に答えた本書の「第3章 起業のFAQ」より、一部を抜粋する。

※第1回:会社を売って何が悪い? 起業に崇高な理念など必要ない
※第2回:起業は1度目より2度目が「ダントツで有利」な理由

◇ ◇ ◇

起業家のプライバシー問題

Q:起業家になったら叩かれるって本当ですか?

皆さんが起業しようとすると、フェイスブックやツイッター、ブログなど、いくつかのSNSを活用していくことになると思う。

好き嫌いにかかわらず、時代の流れとしてやらざるをえない可能性は高い。実は僕自身、SNSが大っ嫌いでこれまでやったことはなかったが、最近始めた(始めさせられた)。

「なぜフェイスブックをやらないのか?」「SNSで自己開示していない経営者は胡散臭い」という世の中の風潮を作り出したのは、レオス・キャピタルワークスの藤野英人さんだ。彼の起業家に対する影響は非常に大きい。

僕が長年拒んでいたフェイスブックも、藤野さんに「フェイスブックメッセンジャーで連絡してよ」って言われたからアカウントを開設した(藤野さんみたいな大御所にそう言われたら、作らないわけにはいかない。そんなわけで、自分のフェイスブックの友達第一号は光栄なことに藤野さんだ)。

彼が、様々な記事や書籍で「社長が顔出ししない会社の業績は下がる」とか「スリッパを履く会社には投資するな」と発信しているため、起業家としては変なところでマイナス影響を受けたくないからその通りにする。

これらのデータを検証したわけではないので真偽はわからないが、少なくとも僕の会社が過去最高益をたたき出した年は、ホームページに顔写真は出してなかったし、まさにスリッパに履き替える会社だった。今年になってホームページに顔写真も出し、会社を引っ越してスリッパに履き替えない会社になったが、例年よりも業績は少し悪い。

とはいえ、経営者にSNSは必須な流れになってきている。面識のない人と「お会いしましょう」となると、みんな「会社名 名前」や「会社名 社長」で検索して、検索順位が上位のいくつかのサイトにはパッと目を通してくる。

そこで何も出てこないと、なんかこの人大丈夫かな......となってしまうのだ。


『サクッと起業してサクッと売却する
 ――就職でもなく自営業でもない新しい働き方』
 正田 圭 著
 CCCメディアハウス

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国GDP、第1四半期は前期比+1.3% 市場予想

ビジネス

バイオジェン、1―3月利益が予想超え 認知症薬低調

ビジネス

フォード、第2四半期利益が予想上回る ハイブリッド

ワールド

バイデン氏陣営、選挙戦でTikTok使用継続する方
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 7

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 8

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中