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外国人の派遣社員39.9万人は「異常な数」...ビザ別に見ると分かる就労制度の抜け穴・問題点

2025年12月19日(金)21時05分
海老原嗣生(雇用ジャーナリスト、大正大学客員教授)

本来であれば、外国人は日本人以上に雇用管理を強化すべきであり、職務変更が容易で雇用保障も薄い派遣労働などは、原則、認めるべきではありません。実際、「特定技能」では原則、派遣事業は禁止されています。当然ながら、その趣旨にのっとれば、「技術/人文/国際」ビザの派遣事業も厳に規制すべきでしょう。

少なくとも、母国で大学を出た人が、いきなり派遣社員として「技術/人文/国際」ビザを取得することは、早急に禁止すべきではないでしょうか。

「特定技能」ビザで外国人の単純労働に門戸が開かれた

続いて、「技能実習制度」と「特定技能」で働く外国人について考えます。

日本は、外国人の就労に関して、長らく「狭き門」という立場を取ってきました。外国人が就労ビザを取得するためには、原則、専門的な技術・技能を持つか、高等教育機関の卒業にふさわしい職務に限られ、単純作業での就労は認めなかったのです。

そもそも、平成前期までは日本もまだ人口が増えており、単純作業では、人材の枯渇感はそれほど強くありませんでした。ただ、3K(きつい、汚い、臭い)環境の不人気職には人材が集まらなかった。そこで、この領域に限り、抜け道のように技能実習制度がつくられたのです。

ところが本書『外国人急増、日本はどうなる?』(PHP新書)の2章で示した通り、平成中盤あたりから、人口減少は顕著になり、同時並行で大学進学率も上昇したため、現業職全般で人材の枯渇感が高まりました。そこで、2019年に「特定技能」という新たな査証が創設され、単純作業を含む現業職領域で、広く外国人材の就労が可能となったのです。

この特定技能資格は、外国人が日本語と技能の試験を受けて、母国にいながら取得することも可能です。一方、技能実習の卒業者(2号資格取得者)にも自動的に付与されるので、当初はこちらから資格取得するコースが一般的でした。

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