<インドでの隔離対象者は100人を超えた。ワクチンも治療法もない感染症の恐怖──>

インド東部の西ベンガル州で、ニパウイルス感染症が発生している。1月末時点までに2人の感染が確認され、隔離対象者は約100人に上る。感染者はどちらも、同州の都市バラサットの私立病院に勤務する医療従事者だという。

1998年に初めて集団感染が確認されたニパウイルスは人獣共通感染症で、宿主のオオコウモリから動物(主にブタ)や人間に感染する。現在のところ、有効性が確認されている治療法はなく、ワクチンも存在しない。

典型的な初期症状は咳や発熱、頭痛、喉の痛みだ。症状が出るのは通常、ウイルスに感染してから4~14日以内。ただし過去の集団感染事例では、より長い潜伏期間(最長45日)も確認されている。

重症化すれば、意識障害や眠気、発作を伴う脳症を発症する可能性があり、多くの場合、24~48時間以内に昏睡状態に陥る。WHO(世界保健機関)の報告によれば、ニパウイルス感染症の致命率は推定40~75%だ。

「水辺」が育む子どもの「待つ力、やり抜く力、折れない力」…話題の子育て本をプレゼント
「水辺」が育む子どもの「待つ力、やり抜く力、折れない力」…話題の子育て本をプレゼント
PR

【関連記事】
◆「発生確率100%のパンデミック」専門家が「がん」を超える死因として警戒する「AMR」とは何か?
◆子どものインフルエンザ感染、主犯人は「距離」ではない──研究が示した学校教室の「意外な原因」
◆2026年に訪れる「コロナ禍の新展開」...変異株「XFG」の脅威と、今こそ知っておきたい重症化リスク

ニューズウィーク日本版 ヘルスリテラシー 健康知識を読み解くクイズ50
2026年6月2日号(5月26日発売)は「ヘルスリテラシー 健康知識を読み解くクイズ50」特集。

偽情報があふれる時代。医療・健康の知識を正しく見極め理解する最適の方法は?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます