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感染症

最長45日も潜伏か...世界が警戒する「ニパウイルス」の本当の恐ろしさ

2026年2月2日(月)14時48分
イアン・ランドル (科学担当)
ニパウイルスの感染源であるオオコウモリ

感染経路はオオコウモリやブタなどの動物だ IMAGEBROKER.COM/SHUTTERSTOCK

<インドでの隔離対象者は100人を超えた。ワクチンも治療法もない感染症の恐怖──>

インド東部の西ベンガル州で、ニパウイルス感染症が発生している。1月末時点までに2人の感染が確認され、隔離対象者は約100人に上る。感染者はどちらも、同州の都市バラサットの私立病院に勤務する医療従事者だという。

1998年に初めて集団感染が確認されたニパウイルスは人獣共通感染症で、宿主のオオコウモリから動物(主にブタ)や人間に感染する。現在のところ、有効性が確認されている治療法はなく、ワクチンも存在しない。


典型的な初期症状は咳や発熱、頭痛、喉の痛みだ。症状が出るのは通常、ウイルスに感染してから4~14日以内。ただし過去の集団感染事例では、より長い潜伏期間(最長45日)も確認されている。

重症化すれば、意識障害や眠気、発作を伴う脳症を発症する可能性があり、多くの場合、24~48時間以内に昏睡状態に陥る。WHO(世界保健機関)の報告によれば、ニパウイルス感染症の致命率は推定40~75%だ。

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