中国自動車大手「アフリカを玄関口に」...関税逆風の中で新興市場に賭ける

6月26日、中国の自動車メーカーは、欧米による輸出規制という逆風にさらされて新たな海外市場の開拓を迫られ、アフリカで潜在需要の掘り起こしに賭けようとしている。写真は20日、ヨハネスブルグで開かれたチェリーの発表会で撮影(2025年 ロイター/Siphiwe Sibeko)
中国の自動車メーカーは、欧米による輸出規制という逆風にさらされて新たな海外市場の開拓を迫られ、アフリカで潜在需要の掘り起こしに賭けようとしている。
アフリカ大陸の人口は10億人を超えるものの、所得の低さと高い輸入関税が長らく外国メーカーの販売拡大を阻む要素になってきた。特に電気自動車(EV)の場合、電力供給の不安定さと充電施設の不足もネックだ。
ただBYD(比亜迪)やチェリー(奇瑞汽車)、GWM(長城汽車)といった中国メーカーは低価格を武器として、他国のライバルが苦戦してきたアフリカでの事業強化を狙っており、大陸全土を見据えた戦略の拠点として南アフリカを利用している。
チェリー南ア現地法人のトニー・リュー最高経営責任者(CEO)は「当社の国際的な拡大にとって南アは非常に重要な市場と位置付けている」と語り、アフリカで最も発展している自動車市場を抱える南アを「大陸への玄関口」と呼ぶ。
南アで現在販売中の中国自動車ブランド14種類のうち、その半分近くは昨年投入されたばかり。ドンフォン(東風汽車) 、リープモーター(零跑汽車)、ダユン(大運汽車)、チャンアン(長安汽車)なども近く南アに進出予定だ。
中国メーカーとして南ア第2位のチェリーは提携を通じて、または自前で南ア市場向けの販売とアフリカ、場合によっては欧州へ輸出するための生産拠点を築くことを検討中だ、とリュー氏は明かした。