備蓄米放出は「米価高騰」の根本的解決にならない...政府と国民に求められる「解決策」とは?
RICE CRISIS OF 2025
だが、自由市場に移行した後も、政府による事実上の減反政策は続いてきた。制度としての減反は2018年に廃止になったが、コメ以外の作物に転作する農家に対して支援金を出すことで、コメの生産調整は継続されていたと見なすことができる。
このようにコメ消費が減少し、値崩れしないよう事実上の減反政策が続くなかで発生したのが今回のコメ不足である。私たちは国民的な議論の末、食管制度を自らの手で廃止し、自由市場に移行する決断を行った。自由市場である以上、需給が逼迫したら価格が上昇することで調整が行われるのは当然のことである。
一部の論者は農協が依然として絶大な政治力を持っており、自民党が農家や農協に過度に忖度していると主張している。確かに転作への支援金は自民党的な農家の保護政策かもしれないが、この政策がなかった場合、零細農家の離農が進むだけで状況が大きく変わるわけではない。体力のある農家による寡占が進むため、結局のところ価格は高く誘導される可能性が高い(詳細は後述)。農協も現在は市場における一参加者でしかなく価格決定権は失いつつある。
一連の問題が事実上の減反政策によるものとする見方は、市場メカニズムに対する理解不足と言わざるを得ない。端的に言うと、今のコメの生産・流通システムは、制度としては自由市場に移行したものの、国民感情としては食管制度が続いているという、中途半端な状況といえる。





