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2月に増えるメンタル不調「二月病」──仕事熱心な上司ほど危ない理由と防ぎ方

2026年2月3日(火)17時30分
中島 美鈴 (臨床心理士*PRESIDENT Onlineからの転載 )
2月に増えるメンタル不調「二月病」──仕事熱心な上司ほど危ない理由と防ぎ方

CeltStudio -shutterstock-

<「心の悲鳴」は実は1月から始まっている。年末年始の疲れに冬季うつ傾向が重なり、さらに"ロケットスタート"で無理をすると、2月に一気に息切れしてしまう>

2月に増えるメンタル不調「二月病」を防ぐにはどうしたらいいのか。『会社でいちいち傷つかない』などの著書がある臨床心理士の中島美鈴さんは「二月病になる人は、仕事熱心で心配性な人が多く、中でも管理職は、自分だけでなく部下の仕事までが心配の種になるため、危険性が高い。そんな人は、認知行動療法の視点を使って『不安の悪循環』を断ち切るといい」という――。

予兆は1月から始まっている

私はカウンセリングルームを開設して12年になりますが、毎年3月はお申し込みが殺到します。しかし、お話を聞いてみると、実はその「心の悲鳴」の予兆は1月から始まっており、2月にはすっかりクタクタになって「二月病」ともいえるような状態になっているケースが多いのです。

それなのに、2月中はまだ「もうすぐ年度末だから、もう少し頑張らなくては」と我慢して無理を重ねてしまい、3月に入ってにっちもさっちもいかなくなってカウンセリングルームの扉をたたく......というわけです。また、この時期は特にカウンセリングや精神科の予約がなかなか取れず、「本当は2月に相談したかったけれど、予約が取れずに3月になってしまった」というケースも少なくないようです。

今年は、年末年始の休暇が最大9日間になるようなカレンダーで、特に二月病の可能性が高まりやすい状況です。休暇が長いと、それだけ長く仕事から離れてリフレッシュできたという方も多いかもしれません。しかし、長く休めるということは、出勤日にこなさなければならない仕事量が増えることも意味します。実際、12月の仕事納めに苦労した方も多いのではないでしょうか。休みが増えても、誰も仕事を肩代わりしてくれるわけではないですよね。


また、仕事から離れていざ自分と向き合うと、これまで言語化されなかった会社での疲労の蓄積に気づいてしまい、出社するのにうんざりしたという意見も聞きます。

「冬季うつ」に年末年始の疲れが重なる

冬はただでさえ、日照時間が減ってメンタルの不調を招きやすく、いわゆる「冬季うつ」になりやすいことも知られています。そこに、年末年始休暇前に仕事を頑張った疲れが重なり、その疲れを引きずったままで1月に仕事をさらに頑張って、2月に息切れしてしまうわけです。

特に危険なのが、長期休暇の遅れを取り戻そうと、1月に「ロケットスタート」を切ってしまうパターンです。ただでさえお正月は、「今年は○○を頑張るぞ」と、一年の目標を立てたりすることが多い時期です。休みの間に気分転換をして少し元気を取り戻し、必要以上に「今年は頑張るぞ」と、やる気でいっぱいになり、エンジン全開で一気に加速してロケットスタートを切ろうとしてしまうわけです。

しかし、人間の適応能力には限界があります。休暇モードから一気にフルスロットルの仕事モードへ切り替える際、心身には大きなG(重力)がかかります。1月は気合で乗り切れたとしても、その反動が2月になって「どっと」押し寄せるのです。

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