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コメ騒動

JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「過剰な20万トン」でコメの値段はこう変わる

WHY THAT PRICE

2025年6月19日(木)18時07分
稲垣公雄(三菱総合研究所研究理事・食農分野担当本部長)

今回のコメの供給不足は、特に23年の酷暑という気候問題によって発生した。品質低下により、精米時により多くの玄米が必要になり、最終的な需要が20万トン以上も上振れした。

加えて、人手不足や高齢化に伴う酷暑などへの農業者の対応力の低下・生産基盤の弱体化という長年の問題がある。これまでの政策を見直して、農業政策の枠組みを抜本的に改革する必要が出てきている。

そして、足元で重要なのは26年産に向けた対応だ。農家に来年のコメ生産を大幅に拡大してもらうのであれば、8月までにその方針と実現に向けた政策を提示する必要がある。

少なくとも、今回の放出によって不足している60万~80万トンの備蓄米を早急に積み戻す必要があるだろう。農業関係者の「みんなが増産したら米価が下がってしまうのではないか」という懸念を払拭しつつ、大増産の達成を目指す必要がある。

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