最新記事
コメ騒動

JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「過剰な20万トン」でコメの値段はこう変わる

WHY THAT PRICE

2025年6月19日(木)18時07分
稲垣公雄(三菱総合研究所研究理事・食農分野担当本部長)

安価な価格帯で店頭に並ぶ備蓄米は米価引き下げの打開策となるか ISSEI KATOーREUTERS

<備蓄米大放出でコメの値段は下がるのか? そもそもコメ高騰の真犯人は誰なのか? 26年産に向けて取るべき対応>

「令和のコメ騒動」の原因として、「流通構造の複雑さ」「農協やコメ卸(卸売業者)が価格高騰の黒幕だ」といった説があるようだが、それは完全な誤解だ。

【動画】コメ高騰の仕組みと今後の価格の行方を「経済評論家・加谷珪一」が徹底解説

コメの流通が複雑で非効率な面があるのは否定しないが、昨年から急に流通構造が複雑になったわけではない。需要に対して供給が不足したから価格が上がった。それ以上でもそれ以下でもない。


一般にコメの流通は「農家」から「集荷業者」「卸売業者」「小売り」という流れになる。集荷業者はほぼ農協を指すと考えていい。農家が農協に売り渡す価格が「概算金」、集荷業者と卸売業者の取引価格が「相対取引価格」、小売りが消費者に売る価格が「小売価格」だ。

非常にざっくりしたイメージだが、2022年頃まで60キロ当たりの概算金は1万~1万2000円程度、相対取引価格は1万2000~1万6000円程度、小売価格は2万4000円程度(5キロ当たり2000円)だった。

この価格水準はほぼ10年間変わらなかったため、物価・資材価格高騰の中で農家からは経営の厳しさを訴える声が大きかった。

足元の25年産の生産に向けて、複数の地域で農協グループが2万4000~2万7000円という概算金を提示している。この水準からすると、小売価格の見通しは5キロ4000~4500円以上になる。

インタビュー
「アニメである必要があった...」映画『この世界の片隅に』片渕監督が語る「あえて説明しない」信念
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米ADP民間雇用、12月は4.1万人増 予想下回る

ビジネス

米国やG7と連携、冷静・毅然に対応=中国輸出規制で

ビジネス

PEのクアンタム、ルクオイル海外資産に入札 シェブ

ビジネス

ユーロ圏消費者物価、12月2%に減速 ECB目標と
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    日本も他人事じゃない? デジタル先進国デンマークが「手紙配達」をやめた理由
  • 4
    「見ないで!」お風呂に閉じこもる姉妹...警告を無視…
  • 5
    トランプがベネズエラで大幅に書き換えた「モンロー…
  • 6
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 7
    「悪夢だ...」バリ島のホテルのトイレで「まさかの事…
  • 8
    若者の17%が就職できない?...中国の最新統計が示し…
  • 9
    衛星画像で見る「消し炭」の軍事施設...ベネズエラで…
  • 10
    マドゥロ拘束作戦で暗躍した偵察機「RQ-170」...米空…
  • 1
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙」は抑止かそれとも無能?
  • 4
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 7
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 8
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 9
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 10
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中