最新記事
ビジネス

リスキリングと言われても「何を学べばいいの?」 そんな人こそ知るべき「独学」と「アンラーン」の効能

2023年7月12日(水)18時07分
flier編集部

思考のクセは「なくそう」と決意してすぐになくせるものではありません。固定化した思考を解きほぐすためには、まずは無意識の行動を洗い出すこと。「これまでは」「通常は」の思考にとらわれていないかをチェックします。そして、「いまの考え方は前例主義かもしれない」などと気づいたら直してみる。このくり返しです。

組織内の学びの文化醸成というと、職場の大改革や大規模な研修が必要と思うかもしれません。ですが、気軽にできる「小さな習慣」の積み重ねこそが大きな意味をもちます。アンラーンの習慣を組織やチーム全体でとりいれることで、学びの文化の下地をつくれるのではないでしょうか。

もう1つは、社員が好奇心をもてる分野なら、全社的な方向性と多少ずれていても、その学びを後押しすることです。リーダー層は、社員が何に関心があるのか、日頃からキャッチアップする必要があると思います。そうすることで社員のモチベーションが上がり、成果の向上につながります。

Unlearn(アンラーン)
 著者:柳川範之、為末大
 出版社:日経BP
 要約を読む
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)


ポジションごとのキャリアパス、「見える化」できている?

──人材に投資をしても若手社員がすぐに辞めてしまい、社員のモチベーションを維持しにくい。こんな課題をもつ管理職や人事担当者も少なくありません。人材育成への投資をより有意義なものにし、組織の活性化に結びつけるために、企業はどんな実践をするとよいでしょうか。

大事なのは、社員それぞれの育成プランを示すことです。日本企業では、異動や転勤、昇進などの配置転換を命じる際に、その意味づけを社員に伝えられていないケースが多いように思います。

たとえば、経理部門で働いていた人に、「来月から地方の営業所で勤務してほしい」と辞令を出すとします。その際、「5年後にはこんな人材になってほしい。そのために営業経験を積んでほしい」といった希望を会社側が伝えていれば、本人も会社から何を期待されているのかが理解できる。そして、目の前の業務が自身のキャリアパスとどう結びついているかが見えてきます。

若い人がすぐにやめてしまう原因の1つは、この意味づけが不十分だからだと考えています。目の前の仕事で身につけてほしいことが明確になってはじめて、社員もモチベーションを見出せるのです。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏CPI、4月はサービス上昇でコア加速 6月

ワールド

ガザ支援の民間船舶に無人機攻撃、NGOはイスラエル

ワールド

香港警察、手配中の民主活動家の家族を逮捕

ビジネス

香港GDP、第1四半期は前年比+3.1% 米関税が
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 5
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 6
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 7
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 8
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 9
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中