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サウジとパキスタン、相互防衛協定を締結

2025年09月18日(木)16時36分

 9月17日、サウジアラビアとパキスタンは、正式な相互防衛協定に署名した。写真は、サウジアラビア・リヤドで防衛協定に署名した日に抱き合うサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子(写真右)とパキスタンのシャバズ・シャリフ首相(写真左)。サウジ国営通信提供(2025年 ロイター)

Maha El Dahan Saeed Shah

[ドバイ/イスラマバード 17日 ロイター] - サウジアラビアとパキスタンは17日、正式な相互防衛協定に署名した。地域の緊張が高まる中、長年の安全保障協定を大幅に強化する。

イスラエルは先週、カタールでイスラム組織ハマスの指導者を標的とした空爆を実施。湾岸諸国の間では、地域の安全を保証する役割を長年担ってきた米国への不信感が募っている。

サウジのある高官はロイターに「この協定は何年にもわたる議論の集大成だ。特定の国や特定の出来事への対応ではなく、両国間の長きにわたる深い協力を制度化するものだ」と語った。

パキスタンは5月、インドと軍事衝突している。

インド外務省報道官は18日、この動きを認識しており、安全保障と地域の安定に対する影響を精査するとXに投稿した。

サウジ高官は匿名を条件に、インドとの関係のバランスを取る必要があるとし「インドとの関係は、これまでになく強固だ。われわれは、この関係を今後も拡大し、可能な限り地域の平和に貢献していく」と述べた。

パキスタンは核保有国。サウジ高官は、今回の協定の下でパキスタンがサウジに核の傘を提供する義務を負うかとの質問「これは、あらゆる軍事的手段を網羅する包括的な防衛協定だ」と述べた。

パキスタンの国営テレビは、シャリフ首相とサウジのムハンマド皇太子が協定署名後に抱擁する様子を放映した。

パキスタン首相府は「両国の安全保障強化と、地域・世界の安全保障と平和の達成に向けた両国の共通のコミットメントを反映したこの協定は、両国間の防衛協力の側面を発展させ、いかなる侵略に対する共同抑止力を強化することを目的としている。協定は、いずれかの国に対するいかなる侵略も、両国に対する侵略とみなされると定めている」と述べた。

ロイター
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