最新記事
テクノロジー

日本企業のチャットGPT導入、「活用」17%、「禁止」2% 社内ルールは未整備

2023年5月25日(木)11時44分
チャットGPTの画面

5月のロイター企業調査で対話型人工知能(AI)「チャットGPT」の活用状況を聞いたところ、業務に使っている、もしくは検討していると回答した企業は合わせて17%だった。写真はチャットGPTの画面。2月9日撮影(2023年 ロイター/Florence Lo)

5月のロイター企業調査で対話型人工知能(AI)「チャットGPT」の活用状況を聞いたところ、業務に使っている、もしくは検討していると回答した企業は合わせて17%だった。自治体などで実験的に導入する動きが広がっているが、情報漏えいや信頼性などへの懸念も指摘される中、企業の多くはまだ議論の段階になく、社内ルールも未整備、新しい技術への対応が追い付いているとは言えない状況だ。

調査期間は5月10日から5月19日。発送社数は493、回答社数は241だった。

チャットGPTなど生成AIへの向き合い方には国レベルでも温度差があり、主要7カ国も19─21日の首脳会議(G7広島サミット)で討議。国際ルール作りを進めることで合意した。

企業調査では「活用している」が3%、「活用を検討している」が14%で計17%にとどまった。どのような分野で活用しているかを聞いたところ、文章の添削・校正や検索、会議録や議事録の作成、企画やアイデアの提案などが上位となった。

「活用していない」との回答は81%にのぼった。理由としては「社内ルール作りができていない」が72%と最も多くなった。「情報の信ぴょう性」が33%、「機密情報の漏洩」が24%と、現段階での信頼性に疑問符を付ける回答も多かった。

このほか「情報が少なく、活用の話にもなっていない」(繊維)、「業務使用の議論すら行われていない」(機械)と、まだ社内で議論の遡上にのぼっていない社も目立つ。「良く機能を把握していない」(運輸)、「現状として具体的に活用できる場面が不明」(卸売)という声もある。こうした理由もあり、現時点で明確に「禁止している」とした企業は2%にとどまった。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


企業経営
ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パートナーコ創設者が見出した「真の成功」の法則
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

訂正-野村HD、国内初のVC投資型デジタル証券発行

ワールド

仏大統領が訪中へ、脅威に対処しつつ技術へのアクセス

ワールド

アングル:トランプ政権のAIインフラ振興施策、岩盤

ビジネス

中国万科の債券価格が下落、1年間の償還猶予要請報道
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯終了、戦争で観光業打撃、福祉費用が削減へ
  • 2
    【クイズ】1位は北海道で圧倒的...日本で2番目に「カニの漁獲量」が多い県は?
  • 3
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果のある「食べ物」はどれ?
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 6
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 7
    中国の「かんしゃく外交」に日本は屈するな──冷静に…
  • 8
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が…
  • 9
    600人超死亡、400万人超が被災...東南アジアの豪雨の…
  • 10
    メーガン妃の写真が「ダイアナ妃のコスプレ」だと批…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中