最新記事

投資

インフレをチャンスにできる人と、貧乏になる人...それぞれ共通するパターンがあった

2023年3月14日(火)17時47分
窪田 剛(オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」講師)

9割の人が株を始めてお金を減らす理由

お金の価値が下がるインフレ時代には、お金を現金のまま持っていては損をします。では、どうすればいいのか。その答えは、現金を不動産や株などの「資産」に交換すること。これにより、物価の上昇をうまく利用して、大きな資産を作ることも可能になります。

近年は不動産投資が人気になっていますが、始めるにはある程度まとまった金額が必要です。それに対して株式投資は、小さな元手からでも始めることができ、また、不動産と違って簡単に現金化できる(売りたいときにすぐに売れる)というメリットもあります。

実際、株式投資を始める人は増えているのですが、その反面、株式市場に参加しようとする人の多くが株でお金を減らしている、という厳しい現実もあります。個人投資家の9割が負けている、とすら言われますが、その要因は「ギャンブル型」で株の売買を行っているからです。

「なんとなく上がりそうな気がするから」とか「知り合いがいいと言っていたから」「SNSで話題になっているから」あるいは「勘で!」といった理由で、投資する株を選ぶ人が本当に多いのです。それではギャンブルと同じで、利益が出ても再現性がなく、やればやるほど損失が増えていきます。

株式投資で資産を伸ばすには、きちんとした根拠に基づいて売買を行い、さらにそれを、再現性をもって繰り返すことができなければいけません。

資産を伸ばす2つの株式投資

資産を伸ばす株式投資には2つのタイプがあります。「投資型」と「トレード型」です。この2つは、選ぶ銘柄も違えば、買うタイミングも売るタイミングも、また、その銘柄を買う理由や、株価が上がると推測する根拠も、何もかもが違っています。

まず投資とは、「企業の資産価値の向上にお金を投じてリターンを狙うこと」です。3年先や5年先、あるいは10年先を見越して、企業の成長ともに株価が上昇することに期待して株を購入し、数年後に実際に株価が上がっていれば、その差額が利益になります。

未来を予測するために多くの情報を分析して、その企業が本当に成長するかどうかを見極める必要があります。企業のことだけでなく、政治・経済や社会の動向のほかにも、テクノロジーの進歩や業界の成長率、人口動態なども考慮します。

この投資型では、一般的に年7%程度の利益が見込めると言われています。これは長期的に見た場合の利回りで、単年ではもっと低かったり高かったり、マイナスになる年もあるかもしれませんが、投資期間が長くなれば平均的な利回りに落ち着く、ということです。

年7%なら、複利を考慮すれば10年で2倍程度になります。10年間ずっと株式を保有し続け、現金化しないことが前提ですが、銀行に預けておくよりもずっといいのではないでしょうか。将来の資産形成に向けてじっくり取り組むなら、この投資型が向いています。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=円、対ユーロで16年ぶり安値 対ドル

ビジネス

米テスラ、新型モデル発売前倒しへ 株価急伸 四半期

ワールド

原油先物、1ドル上昇 米ドル指数が1週間ぶり安値

ビジネス

米国株式市場=続伸、マグニフィセント7などの決算に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 7

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 10

    ロシア、NATOとの大規模紛争に備えてフィンランド国…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中