最新記事

ビジネス

人を動かすには付きものの「4つの壁」と、その乗り越え方を知る

2022年4月5日(火)18時21分
flier編集部

── そうかもしれません。出社していても、全員と会話するわけではありませんし。

オフィスで仕事をしていたときも、雑談の機会って意外となかったはずです。「もとから相手のことを理解できているわけではない」と認識さえしていれば、オンラインであれオフラインであれ、やるべきことはさほど変わらないと思います。

むしろオンラインのほうが、相手のことを理解するきっかけが多いとさえ言えるかもしれません。

── オンラインのほうが、ですか。

オンラインの雑談では、住環境や家族など、プライベートな話題が増えませんか? 打ち合わせ中にお子さんの声が聞こえたり、家族が作ってくれたランチを食べたという話題になったり。

オフィスにいると、仕事以外のことをわざわざ話す機会は少ないもの。オンラインだからこそ、逆に今まで知らなかった一面を知れるチャンスだととらえてみてはいかがでしょうか。

関係性の壁を乗り越えるために、相手について知るべきことは山ほどあります。これは「相手のことをとことん知りましょう」という意味ではありません。「相手のことを知らない」と気づくことのほうがもっと重要です。

── 本書には「無知の知」というフレーズも使われていました。

「もしかしたら自分はわかっていないのかもしれない」という自覚が必要ですね。

以前、日本の名だたる企業のリーダーが集まる研修に参加したとき、講師を務めていた大御所の先生が、ある印象的なことをおっしゃったんです。

それは「あなたたちはすごく権力を持っていて、人に指示を出す立場にいるはずです。でも、自分が出す指示やメッセージの他にも正しい道があるかもしれない、と疑うことを忘れてはいけません」ということ。

衝撃でした。「もしかすると自分はわかっていないかもしれない」と思うことは、相手に動いてもらううえですごく大切なことです。

── 相手とのやり取りも大切ですが、その前に自分と向き合い、内省することが大事だと感じました。高橋さん、ありがとうございました!

220402fl_tks03.jpg

無敗営業 チーム戦略
 著者:高橋浩一
 出版社:日経BP
 flierで要約を読む

220402fl_tks04.jpg


高橋浩一(タカハシ コウイチ)

TORiX株式会社 代表取締役

東京大学経済学部卒業。外資系戦略コンサルティング会社を経て25歳で起業、企業研修のアルー株式会社に創業参画(取締役副社長)。事業と組織を統括する立場として、創業から6年で70名までの成長を牽引。同社の上場に向けた事業基盤と組織体制を作る。2011年にTORiX株式会社を設立し、代表取締役に就任。これまで4万人以上の営業強化支援に携わる。

コンペ8年間無敗の経験を基に、2019年『無敗営業「3つの質問」と「4つの力」』、2020年に続編となる『無敗営業 チーム戦略』(ともに日経BP)を出版 、シリーズ累計7万部突破。2021年『なぜか声がかかる人の習慣』(日本経済新聞出版)、『気持ちよく人を動かす 〜共感とロジックで合意を生み出すコミュニケーションの技術〜』(クロスメディア・パブリッシング)、2022年『質問しだいで仕事がうまくいくって本当ですか? 無敗営業マンの「瞬間」問題解決法』(KADOKAWA)を出版。年間200回以上の講演や研修に登壇する傍ら、「無敗営業オンラインサロン」を主宰し、運営している。

◇ ◇ ◇

flier編集部

本の要約サービス「flier(フライヤー)」は、「書店に並ぶ本の数が多すぎて、何を読めば良いか分からない」「立ち読みをしたり、書評を読んだりしただけでは、どんな内容の本なのか十分につかめない」というビジネスパーソンの悩みに答え、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。

通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されているほか、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。

flier_logo_nwj01.jpg

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台風26号、フィリピンで4 人死亡 週半ばに台湾へ

ワールド

EXCLUSIVE-米FBI長官、中国とフェンタニ

ビジネス

資生堂、今期520億円の最終赤字に転落 米州事業で

ワールド

マクロスコープ:高市氏、経済対策で日銀に「注文」へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 2
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一撃」は、キケの一言から生まれた
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 8
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 9
    「爆発の瞬間、炎の中に消えた」...UPS機墜落映像が…
  • 10
    中年男性と若い女性が「スタバの限定カップ」を取り…
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 8
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 9
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 10
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中