最新記事

仮想通貨

ビットコインに再び勢い、暗号資産では「比較的安全」か

2022年2月3日(木)20時30分
ビットコインで決済可能を示すマーク

ビットコインが数ある暗号資産(仮想通貨)との競争の中で、再び勢いを取り戻している。写真はビットコインが利用できることを示すマーク。トロントで2014年5月撮影(2022年 ロイター/Mark Blinch)

ビットコインが数ある暗号資産(仮想通貨)との競争の中で、再び勢いを取り戻している。

暗号資産の先駆けであるビットコインは2021年に、「ソラナ」や「ポルカドット」をはじめ、何千にも上るオルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)の攻勢を受け、暗号資産市場が急激に分断化する可能性が高まった。

しかしビットコインはこれまで失ったシェアを取り戻し始めている。米連邦準備理事会(FRB)のタカ派姿勢強化やウクライナ情勢を巡る懸念がある中、シェア首位のビットコインは相対的に安全と見なされ、投資家には魅力に映っている。

コインマーケットキャップによると、1兆6800億ドルに上る暗号資産市場でビットコインが占めるシェアは約42%と、2週間前の39%から上昇。昨年10月半ばに46%のピークを付けて以降、シェアが下降し続けていたが、初めて上向いた。

市場関係者はビットコインのシェア再拡大がトレンドとして定着したと判断するのは時期尚早だと指摘する。ビットコインは競合暗号資産より底堅いが、市場全体は1月に下落したからだ。それでもなお、13年の歴史があるビットコインが競合通貨よりも市場の慎重ムードの恩恵を受けやすい傾向が続くと見る向きもある。

スタック・ファンズ(シンガポール)のマシュー・ディブ最高執行責任者(COO)は「リスクオフが継続するならば、ビットコインは暗号資産市場の流動性を吸収することになるだろう」と予想。

大半の暗号資産は依然としてビットコインに追随しているが、一部のファンドマネジャーは今年は徐々に値動きのかい離、あるいはデカップリング(分断)が起き、さらなる差別化が必要になると見込んでいる。

暗号資産投資会社アルカ(Arca)のジェフ・ドーマン最高投資責任者(CIO)は、22年は昨年に比べて「かなり慎重で微妙な差異を付けた積極戦略」が必要になるだろうとの見解を示した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

マクロン氏、早期辞任改めて否定 政治混乱もたらした

ワールド

トランプ氏、ガザ戦争終結を宣言 人質と拘束者解放

ビジネス

米国株式市場=大幅反発、米中貿易戦争巡る懸念和らぐ

ワールド

ハマス、ガザ地区で対抗勢力と抗争 和平実現に新たな
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由とは?
  • 3
    車道を一人「さまよう男児」、発見した運転手の「勇敢な行動」の一部始終...「ヒーロー」とネット称賛
  • 4
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃を…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    筋肉が目覚める「6つの動作」とは?...スピードを制…
  • 7
    連立離脱の公明党が高市自民党に感じた「かつてない…
  • 8
    1歳の息子の様子が「何かおかしい...」 母親が動画を…
  • 9
    ウィリアムとキャサリン、結婚前の「最高すぎる関係…
  • 10
    あなたの言葉遣い、「AI語」になっていませんか?...…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル賞の部門はどれ?
  • 4
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ…
  • 9
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 10
    トイレ練習中の2歳の娘が「被疑者」に...検察官の女…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
  • 10
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中