最新記事

キャリア

失敗しても動揺しない「鋼のメンタル」を身につけよ 人生は「偶然のゲーム」、論理的に考えれば想定内

2021年10月17日(日)11時12分
小林 剛(プロ雀士) *東洋経済オンラインからの転載
リラックスしようとする女性

ささいなことに一喜一憂しない心の平安を手に入れるためには──? LumiNola - iStockphoto

100万人がABEMAで視聴する麻雀プロリーグ「Mリーグ」の雀士・小林剛氏は、サイバーエージェントの藤田晋社長が「鋼のメンタル」と評するほどのメンタルの持ち主。「メンタルの強さは、"思考法"次第。どんなに繊細で、傷つきやすい人であっても、論理的なものの考え方を身につけることさえできれば、今この瞬間から心は強くなる」と言います。小林氏が上梓した『なぜロジカルな人はメンタルが強いのか? 現代最強雀士が教える確率思考』より一部抜粋・再構成してお届けします。

人生は「偶然のゲーム」

私は麻雀プロの中でも「とくにメンタルが強い」と言われています。サイバーエージェント社長で、Mリーグ「渋谷ABEMAS」監督の藤田晋さんは、私のことを「鋼のメンタル」と評しました。強いか弱いかと問われれば、強いほうでしょう。自分でもそう思います。

しかし、本当に私のメンタルが強いのでしょうか? 何か少し悪いことが起こっただけで、「もうダメだ」と落ち込んで、投げやりになってしまう。そういう人が多い印象です。

それは麻雀プロの中でも、例外ではありません。麻雀は「いい偶然」と「悪い偶然」が起こり続けるゲームです。なのに、なぜか悪いことが起こると「あの一手で心が揺れてしまった」とか、そういう表現をする人がとても多いのです。

先日、ある企業で営業マンをやっている友人と昼にばったり会ったので、ランチを共にしました。ランチの間、彼は自分のスマホ画面を見ながら、「あー今日はツイてないなぁ、早めに切り上げて会社に戻ろう」とぼやきました。聞いてみると、取引先から少々ガッカリするメールが届いたとのこと。なぜ会社に戻るのか尋ねると、「こういう日は次に回っても、うまくいかないことが多いんだよね」と話していました。

反対に、いいことが続いた場合に、「今日はツイてるから、なんでもうまくいくぞ!」などと言う人もよく見かけます。こういう考えを、私は不思議だと思います。人生も、そして麻雀も「いいこと」と「悪いこと」が偶然起こり続けるゲームです。ゲームの構造をわかっていれば、何が起ころうとも、その後の判断や行動を変える必要はないのです。

麻雀プロのおそらく9割以上が、運・不運で感情を揺さぶられていると思います。感情が揺れて、いいことは1つもありません。強気で勝負すべきところで逃げてしまったり、逆に強気で行きすぎたりしてしまいます。冷静さを失っているとき、当人はなかなか気づきにくいものです。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ノルウェーなど3カ国、パレスチナ国家承認 イスラエ

ビジネス

再送英CPI、4月前年比+2.3%で予想上回る 利

ビジネス

独連銀、インフレリスクを警告 賃金が予想以上に上昇

ワールド

中国、ロッキードなど米軍関連企業12社と幹部に制裁
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    能登群発地震、発生トリガーは大雪? 米MITが解析結果を発表

  • 2

    「目を閉じれば雨の音...」テントにたかる「害虫」の大群、キャンパーが撮影した「トラウマ映像」にネット戦慄

  • 3

    高速鉄道熱に沸くアメリカ、先行する中国を追う──新幹線も参入

  • 4

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された─…

  • 5

    魔法の薬の「実験体」にされた子供たち...今も解決し…

  • 6

    「テヘランの虐殺者」ライシ大統領の死を祝い、命を…

  • 7

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 8

    イスラエルはハマスの罠にはまった...「3つの圧力」…

  • 9

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 10

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気を失った...家族が語ったハマスによる「拉致」被害

  • 4

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 7

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 8

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 9

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『…

  • 10

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中