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ビットコイン相場を揺るがす米ETFの行方 承認なら「マスク砲」並みのインパクトが

2021年4月27日(火)20時53分
千野剛司(クラーケン・ジャパン代表)

現在、東京証券取引所には、240銘柄以上のETFが上場されています。その多くは、日経平均などの国内外の株価指数に連動するものですが、これら株価指数に連動するものに加えて、金、銀、プラチナ、原油といった伝統的な証券市場には馴染みのない貴金属や鉱物を対象としたETFも上場されています。

また、海外の証券取引所で上場しているETFを、証券会社等が日本版預託証券(JDR: Japanese Depository Receipt)というスキームを使って仲立ちすることで日本国内のETFとして上場することも可能となっています。ETFがすごいのは、上場商品であるが故の低コストと高い流動性を確保しながら、投資対象の幅広さと柔軟性を併せ持つところにあります。

株式投資家がビットコインに投資しやすくなる?

さて、ここまでお話したところで、ETFの仕組みを使えば、さまざまな投資商品を証券取引所に上場することが可能であり、ETFには一般的な投資信託にはない投資家にとってのメリットも多くある、ということがお分かりいただけたと思います。これを踏まえて、ビットコインETFの持つ意味合いについて考えてみましょう。

ビットコインは、国などの特定の機関が信用を与えている法定通貨等と異なり、インターネット上で人々の信頼のみで価格が形成・維持されている仮想通貨の一つです。当初は法定通貨の代替として見る向きも多かったのですが、現在では、機関投資家によってインフレリスク等に対するヘッジ目的で利用されることもあり、インターネット上に存在する金(ゴールド)、所謂「デジタル・ゴールド」と呼ばれることも多くなりました。

海外では、既にPayPalやテスラといった大企業がビットコインを購入したり、自社サービスでの利用を開始していますが、日本国内では、仮想通貨に対する懐疑的な見方はまだ根強くあります。

著者をはじめとして、デジタル資産の業界に身を置く人間の多くは、仮想通貨とその背景にあるブロックチェーン技術が今後の金融に未来をもたらすと信じていますが、現状、既存の金融と未来の金融に隔たりがあることは否めません。

しかし、ビットコインETFが証券取引所という既存金融の中心で上場され取引されることになれば、証券市場に参加している投資家にとって仮想通貨はもはやトヨタやソニーの株式と大差ないものとなり、仮想通貨の普及と受入れが加速するとみています。

ビットコインETFは、既存の金融が未来の金融に影響を受けて変革していく、あるいは、両者が融合していく、その歴史的な過程における橋頭堡として位置付けられます。

※記事後半へ続く

[筆者]
千野剛司
クラーケン・ジャパン(Kraken Japan)- 代表 慶應義塾大学卒業後、2006年東京証券取引所に入社。2008年の金融危機以降、債務不履行管理プロセスの改良プロジェクトに参画し、日本取引所グループの清算決済分野の経営企画を担当。2016年よりPwC JapanのCEO Officeにて、リーダーシップチームの戦略的な議論をサポート。2018年に暗号資産取引所「Kraken」を運営するPayward, Inc.(米国)に入社。2020年3月より現職。オックスフォード大学経営学修士(MBA)修了。

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