最新記事

テレワーク

コロナ禍でビジネスの「新しい日常」となったビデオ会議 最大限に活用する方法は

2020年10月19日(月)12時37分

助成金申請代行の仕事に携わるダイアン・レオナードさんは先日、ある会議に出席した。いつもの流れだ。基調講演を聞き、他の出席者たちと交流し、友人に出くわす。写真はスペイン・バルセロナ北部で、オンライン会議ツールを使う学生。4月2日撮影(2020年 ロイター/Albert Gea)

助成金申請代行の仕事に携わるダイアン・レオナードさんは先日、ある会議に出席した。いつもの流れだ。基調講演を聞き、他の出席者たちと交流し、友人に出くわす。

だが、これまでの会議と大きく違う点が1つある。自分は米ニューヨーク州クレイトンの自宅にいて、お気に入りのコーヒーを飲み、足元にランニング・ウオーキングマシンが付いた「机」に向かい、傍らには愛犬オリーがいる。

レオナードさんが出席したのは、クラウドコンピューティング会社が主催したIT関連の会議。今年開かれている多くの会議と同様、完全なビデオ会議だ。

「ここ半年で、この種の会議への出席は40回を超えたと思う。もうすっかり日常の一部だ」とレオナードさんは言う。

「ミィーティング・プロフェッショナルズ・インターナショナル」が夏に実施した調査では、回答者の86%が今後1年間で現実空間イベントへの出席は減ると予想した半面、87%はバーチャルイベントへの出席が増えるとの見通しを示した。

バーチャルイベントをプロデュースするディジメンターズ社の共同創業者、スリー・スリーニバサン氏は「この半年間、バーチャルイベントを運営してきて気付いたのは、現実空間で開く会議との違いが20%ほどあるということだ。だが、その20%が決定的だ」と語る。

「新しい日常」になじむのは大変だが、ある意味では簡便さが増したとも言える。人との接し方、有意義なコンテンツへのアクセス、参加することで得られる「収穫」の最大化などの面で、まったく新しい戦略が必要になる。

「バーチャルイベントでは、出席者による準備と行動が、より多く求められる」と語るのは、投資調査会社・モーニングスターの幹部、レスリー・マーシャル氏。9月に米国で約3000人を対象にオンライン会議を主催したばかりで、今後は世界規模のバーチャルイベントを計画中だ。

しばらくの間、バーチャルイベントが常態化するのは間違いないだろう。教育コンサルタント会社・タゴラスによると、ビデオ会議を開催した人の92%は、今後も開催する計画を立てている。

というわけで、会議出席者がバーチャル空間で処していく上でのヒントをいくつか紹介しよう。

ツールを味方につける

ビデオ会議の運営者は、ネットワーキングや双方向性を確保するために大変苦労して最新のツールを生み出しているので、これらを活用しない手はない。

基調講演の間は、チャットボックスを使えば他の参加者と感想を共有したり、質疑応答時間向けの質問を投稿したりすることができる。「ブレークアウト(グループ分け)」機能を使えば、特定の関心事項についてのチャットルームを開設したり、1対1の対話を行うことも可能だ。

モーニングスターは、仮想現実(VR)の採用まで試みている。9月の会議では参加者数十人にOculusのゲーム用VRヘッドセットと3Dゴーグルを手配し、実際に現場にいるような気分を味わってもらった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

外国企業復帰、ロシアの利益になるかどうか注視=検事

ワールド

石破首相、NATO首脳会議出席取りやめへ 岩屋外相

ワールド

豪、米のイラン攻撃を支持 外交再開呼びかけ

ビジネス

独アウディ、トランプ関税対応で米での工場建設案が浮
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「過剰な20万トン」でコメの値段はこう変わる
  • 2
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり得ない!」と投稿された写真にSNSで怒り爆発
  • 3
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    イランとイスラエルの戦争、米国より中国の「ダメー…
  • 6
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 7
    「イラつく」「飛び降りたくなる」遅延する飛行機、…
  • 8
    EU、医療機器入札から中国企業を排除へ...「国際調達…
  • 9
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 10
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 1
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 2
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 7
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火.…
  • 8
    「アメリカにディズニー旅行」は夢のまた夢?...ディ…
  • 9
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 10
    イランとイスラエルの戦争、米国より中国の「ダメー…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 9
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中