最新記事

日本社会

東京コロナショック最前線 「立ち食いそば」、品川と五反田の売上回復の差はなぜ?

2020年8月4日(火)11時45分
本橋 隆司(フリー編集者・ライター) *東洋経済オンラインからの転載

立ち食いそば業界はコロナによってどんな影響を受けたのか。「江戸切そば ゆで太郎」を展開するゆで太郎システムズの池田社長(写真右)と、「名代富士そば」を運営するダイタンホールディングスの丹社長(写真左)が語り合った(撮影:梅谷秀司)

新型コロナウイルスの影響で、外食業界が大きな打撃を受けている。4月7日には7都道府県を対象に緊急事態宣言が発令され、飲食店には営業時間の短縮が要請された。加えて「ステイホーム」の呼びかけでリモートワークを導入する企業が急増し、都心部の人口は激減。オフィス街周辺にあった飲食店は、完全に干上がってしまった。5月25日に緊急事態宣言は解除されたものの、人の戻りは少なく、変わらず厳しい状態が続いている。

そんな「飲食店冬の時代」に、都心で働く人たちの胃袋を満たし続けてきた立ち食いそば業界は、どう立ち向かっていくのか。2大チェーンである「江戸切りそば ゆで太郎」を運営するゆで太郎システムの池田智昭社長と、「名代富士そば」を運営するダイタンホールディングスの丹有樹社長が、コロナ下での立ち食いそばの現在と未来を語り合った。

2月27日を境に景色が変わった

まずは、コロナの売上に対する影響は、いつから、そしてどれぐらいあったのか。驚くことに、明確に始まりの日があったという。

池田智昭(以下、池田):2月27日ですね。はっきり覚えています。いきなり売上が10%減ったんですよ。それがそのまま続いて、3月は前年同月の10%減、90%でした。その後、緊急事態宣言で、まったくステージが変わりましたね。4月、5月と売上は前年の65%。6月は宣言が解除されたこともあってか同80%ぐらいで、7月は直近の数字で同90.5%まで戻ってきました。

丹有樹(以下、丹):さすがに早いですね。うちは都心店が多いので影響が大きくて、3月が前年同月比80%、4月、5月は同40%ぐらいでした。7月に入っても70%をうろちょろしているような状況です。4月と5月は24時間営業を短縮したことも大きかったですね。

池田:4月はさすがに憂鬱でしたね。数字を見たとき、システムが壊れたのかと思いましたよ、「なにこれ? 合っているの?」って。毎日、売り上げを見ても勘が働かない。PL(損益計算書)もわからない。最近、ようやく読めてきましたけどね。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米9月PPI、前年比2.7%上昇 エネルギー高と関

ビジネス

米中古住宅仮契約指数、10月は1.9%上昇 ローン

ビジネス

米9月小売売上高0.2%増、予想下回る 消費失速を

ワールド

欧州司法裁、同性婚の域内承認命じる ポーランドを批
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    使っていたら変更を! 「使用頻度の高いパスワード」…
  • 10
    トランプの脅威から祖国を守るため、「環境派」の顔…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 8
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中