足りないのはマスクだけじゃない 「検温カメラ」需要急増、新型コロナウイルスで供給追いつかず
万能ではない
ただ、開発メーカーは、赤外線カメラができることは第1段階のスクリーニングであり、発熱の検知に万能ではないと釘を刺す。
赤外線カメラは体温の絶対値ではなく、対象同士のエネルギー発散量の差を測るものだ。例えば寒い朝に戸外から入ってくる労働者と、外が暖かくなった昼に入室する労働者とでは環境が異なるため、定期的に調整を加える必要がある。
警告音が鳴った後には、医療レベルの体温計で体温を確かめる必要がある。しかも新型コロナ患者の中には発熱の症状を示さずに感染を広げてしまう人もいるし、薬局で買える薬で熱を下げることもできる。
赤外線カメラの新興開発企業には広い場所で多くの人々の体温を一斉にスキャンできると宣伝するメーカーもある。しかし、赤外線カメラを軍や企業に対して何十年も供給してきた実績を持つFLIR、サーモテクニクスやオプガルの担当者は、そうした広域のスキャンが発熱の探知に求められる国際的な正確さの基準を満しているかどうかに懐疑的だ。
「(広域のスキャンが難しいとしても)多くの企業で求められているのは玄関や廊下での検査であり、それができればとりあえずは十分だ」とオプガルの事業開発担当者、エラン・ブルーステイン氏は話している。

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