最新記事

香港デモ

中国、上海・ロンドン株式相互接続を一時停止 香港デモめぐる英国の姿勢を問題視

2020年1月2日(木)18時15分

上海証券取引所とロンドン証券取引所の株式相互接続(ストック・コネクト)制度を中国が一時的に停止したことが、関係筋の話で明らかになった。英国との政治的緊張が理由という。写真は2019年6月にロンドン証取で撮影。 (2020年 ロイター/Henry Nicholls)

上海証券取引所とロンドン証券取引所の株式相互接続(ストック・コネクト)制度を中国が一時的に停止したことが、関係筋の話で明らかになった。英国との政治的緊張が理由という。

上海・ロンドン株式相互接続は、上海上場企業がロンドンに、ロンドン上場企業が上海にそれぞれ上場できる制度で、中国企業の投資家基盤拡大や、中国の投資家による英上場企業への投資につながるとみられていた。

当局者や上場計画に関わる人物を含む関係筋5人は全員、制度の一時停止は政治的な理由によるものだと話した。うち2人は、香港のデモを巡る英国の姿勢に言及し、1人は香港の英領事館職員が中国本土で拘束された件を巡る英国側の反応に触れた。

中国証券監督管理委員会(証監会、CSRC)と上海証取はコメントの求めに応じていない。ロンドン証取の広報担当者と英財務省報道官はコメントを控えた。

中国外務省は声明で、詳細は承知していないとしたうえで、「英国に投資する中国企業に対し英国が公平で偏りのない事業環境を提供し、両国が様々な分野で円滑に協力できるよう英国が適切な環境を整備することを期待する」とした。

上海・ロンドン株式相互接続を通じた英上場は中国の華泰証券<601688.SS>が第1号となった。[nL4N23P0MZ]

代替エネルギーのSDICパワーが12月に第2号となる予定だったが、最終段階で延期され、同社は市場環境が主な理由としていた。

関係筋5人によると、SDICパワーの案件は中国政府が株式相互接続制度を一時停止したため保留になったという。

関係筋の1人によれば、このほか中国太平洋保険は早ければ2020年第1・四半期にも案件をローンチする可能性があったが、同社も英上場計画を保留するよう指示されたという。

SDICパワーと中国太平洋保険のコメントは得られていない。

[香港/ロンドン 2日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



2019123120200107issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2019年12月31日/2020年1月7日号(12月24日発売)は「ISSUES 2020」特集。米大統領選トランプ再選の可能性、「見えない」日本外交の処方箋、中国・インド経済の急成長の終焉など、12の論点から無秩序化する世界を読み解く年末の大合併号です。


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ミャンマー総選挙、ASEANの優先事項でない=マレ

ビジネス

良品計画、8月31日の株主に1対2の株式分割

ビジネス

日経平均は小幅続落、ファーストリテが320円押し下

ビジネス

英GDP、5月は前月比-0.1% 予想外に2カ月連
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 3
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    アメリカを「好きな国・嫌いな国」ランキング...日本…
  • 6
    アメリカの保守派はどうして温暖化理論を信じないの…
  • 7
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 8
    【クイズ】日本から密輸?...鎮痛剤「フェンタニル」…
  • 9
    ハメネイの側近がトランプ「暗殺」の脅迫?「別荘で…
  • 10
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 5
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 10
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中