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中国、北朝鮮でレアアース採掘を計画 太陽発電への投資とバーターか

2019年10月24日(木)17時00分

中国レアアース産業協会のウェブサイトに掲載されたリポートによると、北朝鮮はソーラー発電所への投資と引き換えに中国にレアアースの採掘権を付与することを計画している。写真は米カリフォルニア州で撮影された、レアアースのサンプル。2015年6月撮影(2019年 ロイター/David Becker)

中国レアアース産業協会のウェブサイトに24日掲載されたリポートによると、北朝鮮はソーラー発電所への投資と引き換えに中国にレアアースの採掘権を付与することを計画している。

慢性的な電力不足を緩和することが狙い。中国は世界最大のレアアース生産国だが、北朝鮮にも豊富なレアアース資源が眠っているとみられている。

リポートでは、北朝鮮に発電容量250万キロワット時のソーラー発電所を建設するコストを約25億ドルと算定。中国がソーラー発電所に投資すれば、中国と国境を接する平安北道にあるレアアース鉱床の採掘権を付与する計画という。

リポートの出所は、業界の価格やデータを提供しているチャイナ・バルク・コモディティー(CBC)とされているが、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)も今月21日に同様の報道をしている。

CBCのリポートによると、北朝鮮政府当局者は「中国が北朝鮮に投資する絶好の機会になる」と発言。今年は中朝国交樹立70周年に当たり「中国側との交渉が容易になる」としている。

ただ中国のレアアース業界の関係者は、こうした見方について、北朝鮮の「希望的観測」ではないかと指摘。「北朝鮮への投資は安全ではない。多くの企業は必ずしも関心を示さないだろう」と述べた。

国連の対北朝鮮制裁をどのように順守するのかも不透明だ。

[北京 24日 ロイター]


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