インスタグラムに欧州高級ブランドが本腰 ロゴを無断使用されたグッチの神対応とは?
大規模グループによる大型投資
デジタル投資が増大する中で、中規模の高級ブランドは、露出を維持することがますます困難になっている。
「窮地に立っているのは平均的な中規模のブランドだ。小規模でデジタルに徹するイノベーティブなブランドと、資金力の大きい大規模グループの板挟みになっている」。そう語るのは、ファッション産業に関するデジタルデータを集計するローンチメトリックスのマイケル・ジェイスCEOだ。
売上げ回復を狙ったソーシャルメディア投資の増加という転換点を迎えているブランドの1つが、イタリアの靴メーカー、トッズだ。この戦略はアナリストに歓迎されているが、利益率を圧迫する可能性が高いという見方もある。
トッズ株の「リデュース(売り)」を推奨するHSBCのアナリストは今週、同社について、LVMHとケリングがオンラインマーケティングに資金を注ぎ込む中で「強い競争圧力に直面」しており、形勢が不利になりつつある、と指摘した。
ローンチメトリックスの報告によれば、ソーシャルメディアで活躍するインフルエンサーのうち、昨年10万ドル(約1100万円)以上稼いだ人は10%強だという。前年の3.7%から大きく拡大したが、 最も人気のあるブロガーに自社ブランドについて投稿してもらうことは、オンラインマーケティング費用の一部にすぎない。
「大手グループは、ファッションショーや展示会、店舗の開店イベントなど、『体験』にさらに投資しなければならないと理解している」。とブランド戦略についてアドバイスを提供しているリュクスコープのウチェ・ペザードCEOは語る。
「コストがかかるのはこの部分で、テクノロジーではない。これが過去5─8年で変化したことだ」
(翻訳:エァクレーレン)
[パリ ロイター]


アマゾンに飛びます
2025年5月20日号(5月13日発売)は「2029年 火星の旅」特集。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら