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インスタグラムに欧州高級ブランドが本腰 ロゴを無断使用されたグッチの神対応とは?

2019年6月17日(月)16時22分

新しいものを受け入れる

3年前、ルイ・ヴィトンの7分の1の規模しかないイタリアのヴァレンティノが、他ブランドに先駆けて、インスタグラムの活用を始め、ソーシャルメディアで最も効果を挙げたブランドを評価するエンゲージメント・ラボのランキングに初めてランクインした。

ヴァレンティノのやり方はシンプルで、ファンが作成したコンテンツと自社制作したプロの写真をミックスしつつ、オンラインでのコメントに対応するというものだった。今日では当たり前のアプローチだが、当時はこれによって、カタールの投資企業メイフーラが保有する同ブランドの売上高は急増した。

その後、インスタグラムでのヴァレンティノのフォロワーは倍増して124万人に達したが、売上高の伸びは減速。一方、ルイ・ヴィトンのフォロワーはほぼ3倍となる321万人に達し、売上高は引き続き力強いペースで伸びている。

マーケティング投資は、中国市場などでの需要を受けて好調な高級ブランドと、一矢報いようと苦闘するブランドの差を生み出す要因の1つにすぎない。製品のデザインや、独創的な店舗戦略も、それに一役買っているからだ。

また、ソーシャルメディアにおけるセンスの有無によっても差がつくため、予算の大小がすべてというわけでもない。

グッチは2016年、「グッチゴースト」と共同でコレクションのデザインを進めた。「グッチゴースト」は、ニューヨーク中に奇妙なグッチのロゴをペイントし、その画像をネットに投稿したストリートアーティストだ。

この共同作業は、グッチがソーシャルメディア上で信用を高めることに貢献した、とトライブ・ダイナミクスの共同創業者コナー・ベグリー氏は指摘する。

「グッチはつながりを大切にした。普通なら、ブランド側が弁護士を送り込んで(ロゴ盗用の)罪を問うところだ」とベグリー氏は言う。「このことで他のクリエイターにもメッセージが伝わった。『おやおや、自分もグッチについて何か投稿したら、一緒に仕事ができるかもしれない』と思わせたのだ」

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