最新記事

原油

最大産油国サウジアラビアが抱える爆弾

2011年2月22日(火)17時13分
スティーブ・レバイン

 トラブルはイエメンからも舞い込むかもしれない。イエメンでもアリ・アブドラ・サレハ大統領に対する抗議運動が続いている。もしもイエメンからの避難民がサウジに流入して定住を決意したら、彼らは「サウジの人々と同等の政治的権利を求めるようになり、サウジ政府が不安定化する要因をつくる」可能性があると、プリディーは言う。

 ワシントンの戦略国際問題研究所でエネルギー・国家安全保障問題を担当するフランク・ベラストロは、バーレーンから暴動が広がることが明らかになれば、サウジはバーレーンとつながる道を封鎖するだろう、と話す。


 アブカイク石油施設やラスタヌラ港などの重要施設に近い東部地域での暴動は、(もしも発生すれば)2つの理由から原油価格を確実に高騰させるだろう。  1つは、サウジアラビアが世界の原油の予備容量を抱えていること(他の国の生産がストップした場合の「ピンチヒッター」として期待されている)。2つ目は、世界最大の産油国であり原油輸出国として、サウジの原油供給を脅かす長期的な事態はすべて、国際的な大問題になるからだ。


 だからこそ、サウジアラビアの惨事はもはや机上の空論などではない。リビアの情勢によって、それがますます真実味を帯びてきた。

[米国東部時間2011年2月21日(火)15時03分更新]
Reprinted with permission from "The Oil and the Glory," 22/02/2011. © 2011 by The Washington Post Company

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ハメネイ師息子モジタバ師、後継有力候補との情報 米

ビジネス

プーチン氏、欧州向けガス供給の即時停止の可能性を示

ワールド

イラン交戦は国連憲章違反、学校攻撃にも深い衝撃=独

ワールド

トルコ、イランの弾道ミサイル迎撃 NATO防空シス
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 6
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 7
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 8
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 9
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 10
    「イランはどこ?」2000人のアメリカ人が指差した場…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 10
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中