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裏切られたアメリカ人の「トヨタ愛」

2010年3月10日(水)18時02分
マシュー・フィリップス、横田孝(本誌記者)

王者復活を期待する気持ちも

 だが、まだ挽回の望みはある。調査会社J・D・パワーが発表した昨年の品質調査では、アクセル問題に言及する声さえなかった。アメリカ人のトヨタ車オーナーの大半は、自分の車に問題を感じていないことを示す証拠だ。

 CNNは2月5日、トヨタの対応に満足していると販売店の外で語るトヨタ車オーナーたちのインタビューを長時間にわたって放送した。過去の例が参考になるとすれば、いい兆候だ。メーカー側が適切な対応を取れば、リコールはユーザーとの絆をさらに強めるチャンスになり得る。

「最初のトラブルに正しく対処すれば、ブランドへの信頼度はむしろ強まるのが普通だ」と、J・D・パワーのアメリカ自動車研究部門の責任者スティーブン・ウィッテンも言う。

 今回のリコールは、必ずしも日本の製造業の衰退を示すものではない。グローバル化時代の今は、日本ブランドの製品がすべて「メイド・イン・ジャパン」とは限らないからだ。

 プリウスのケースを除き、トヨタとホンダの最近のリコールも例外ではない。両社がリコールを発表した車はいずれも外国の工場で生産された車で、不具合が見つかったパーツは外国の部品業者が納入したものだった。

 アメリカの一部にトヨタの失敗を望むムードがあるという見方は、おそらく一定の真実を含んでいる。特にビッグスリーや全米自動車労働組合(UAW)と関係がある人々はその傾向が強い。

 米政府が公金を投入したアメリカの自動車メーカーを間接的に助けるため、この問題を大げさに扱っているのではないかという疑問もある。確かに動機は十分だが、もしトヨタがケンタッキーやアラバマの工場で労働者のレイオフを開始した場合は、米議会はトヨタたたきを考え直す可能性がある。

 2010年のトヨタは市場シェアを落とす公算が大きく、アメリカでは長いこと経験しなかった最悪の1年になる恐れもある。それでもアメリカ全体が反トヨタで固まっているわけではない。

 アメリカ人はチャンピオンがダウンするのを見るのが大好きだが、倒れた王者が再起するのを見るのはもっと好きだ。

[2010年2月17日号掲載]

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