コラム

習近平が開いた中国「民間企業家座談会」の恐るべき真意

2025年03月05日(水)17時24分
ラージャオ(中国人風刺漫画家)/トウガラシ(コラムニスト)

「戦時経済」への備えも目的?

今回の座談会の趣旨は、民間企業家に対する応援というより、彼らに常に「正しい立場」に立って国家戦略に協力するよう求めることにある。また、戦時経済への備えも目的ではないか、と海外華人の間で噂になった。2025〜27年の間に台湾海峡で戦争が勃発するかも、とある有識者は推測している。

習は台湾統一のためならいかなる代価も払うだろう。仮に台湾が独立すれば、共産党政権は崩壊に近いダメージを受けるからだ。それより大きな代価はない。そもそも党の統治が続く限り、あらゆる代価は従順な国民と企業に転嫁できる。


ポイント

民营企业必须听党话,跟党走!/防止无序扩张/国企做大做强!/限制/整顿!
民間企業は党の言うことを聞き、党と共に歩む!/無秩序な拡大を防ぐ/国有企業はより大きくより強く!/制限/粛清!

揣摩聖意
中国語の発音は「チュアイモー・ションイー」。古代の官員が皇帝の考えや気持ちを推し量り、自らの任務の実行や出世につなげたことを指す言葉。

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プロフィール

風刺画で読み解く中国の現実

<辣椒(ラージャオ、王立銘)>
風刺マンガ家。1973年、下放政策で上海から新疆ウイグル自治区に送られた両親の下に生まれた。文革終了後に上海に戻り、進学してデザインを学ぶ。09年からネットで辛辣な風刺マンガを発表して大人気に。14年8月、妻とともに商用で日本を訪れていたところ共産党機関紙系メディアの批判が始まり、身の危険を感じて帰国を断念。以後、日本で事実上の亡命生活を送った。17年5月にアメリカに移住。

<トウガラシ>
作家·翻訳者·コラムニスト。ホテル管理、国際貿易の仕事を経てフリーランスへ。コラムを書きながら翻訳と著書も執筆中。

<このコラムの過去の記事一覧はこちら>

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例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

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