コラム

西半球をアメリカの庭に...トランプが提唱する「ドンロー・ドクトリン」は現代の帝国主義なのか?

2026年01月15日(木)14時00分

十数年後、ベネズエラは国際的な巨大石油企業を呼び戻した。シェブロン、エクソンモービル、コノコフィリップスは、オリノコ・ベルトと呼ばれる莫大な石油埋蔵量を誇る地域に投資した。これらの取り決めは、マドゥロの師であるウゴ・チャベスが99年に政権を握った後も、5年ほどは問題なく続いた。

しかし、チャベスは唐突に政府の取り分を大きく引き上げた。シェブロンはこれを受け入れ、現在もベネズエラ国内で操業を続けており、同国の石油生産量の4分の1以上を担っている。


一方、エクソンとコノコフィリップスは新たな契約を拒否して撤退し、現地の設備や資産は接収された。両社は提訴して総額約100億ドルの賠償金を勝ち取ったが、ごくわずかしか支払われておらず、石油会社がベネズエラの債権者になっている。

従って、アメリカ人が盗まれているというトランプの主張には真実のかけらもわずかにあるが、「巻き上げられた」に近い。石油はもともとベネズエラのものであり、アメリカの民間企業が、腐敗した無能な政府との契約に失敗したにすぎない。

プロフィール

サム・ポトリッキオ

Sam Potolicchio ジョージタウン大学教授(グローバル教育ディレクター)、ロシア国家経済・公共政策大統領アカデミー特別教授、プリンストン・レビュー誌が選ぶ「アメリカ最高の教授」の1人

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