- HOME
- コラム
- Surviving The Trump Era
- 民主党女性議員4人組「スクワッド」とトランプは似た…
民主党女性議員4人組「スクワッド」とトランプは似たもの同士
スクワッドとトランプのもう1つの共通点は、好き嫌いがはっきり分かれることだ。彼女たちには大勢の支持者がいるが、アメリカ全体で見ればトランプと同様「好き」より「嫌い」という答えのほうが多い。
例えばオマルは、イスラエルは「世界を催眠術にかけている」と発言して反ユダヤ主義だと非難された。オカシオコルテスは、ペロシは有色人種への「敬意を欠いている」とコメントして党内で批判を浴びた。民主党全体で見れば、彼女たちの好感度は他の有力政治家に比べて20~30ポイント低い。
スクワッドの存在はトランプの再選戦略の一部になっている可能性がある。有権者の過半数の支持を期待できないトランプにとって、再選のカギは自分が勝てそうな相手との比較に焦点を当てることだ。16年の大統領選勝利の決め手は、自分と同じように「不支持率」の高い唯一の候補者との対決になったことだった。
彼らを嫌うアメリカ人が多いという点でも、スクワッドとトランプは非常によく似ている。スクワッドに対する人種差別的ツイートの後、トランプの支持率はかえって上昇した。
政治は比較のゲームだ。トランプは再選への道を開く比較対象として、スクワッドを利用しているのかもしれない。
<本誌2019年8月13&20日号掲載>
※8月13&20日号(8月6日発売)は、「パックンのお笑い国際情勢入門」特集。お笑い芸人の政治的発言が問題視される日本。なぜダメなのか、不健全じゃないのか。ハーバード大卒のお笑い芸人、パックンがお笑い文化をマジメに研究! 日本人が知らなかった政治の見方をお届けします。目からウロコ、鼻からミルクの「危険人物図鑑」や、在日外国人4人による「世界のお笑い研究」座談会も。どうぞお楽しみください。
2024年4月30日/5月7日号(4月23日発売)は「世界が愛した日本アニメ30」特集。ジブリのほか、『鬼滅の刃』『AKIRA』『ドラゴンボール』『千年女優』『君の名は。』……[PLUS]北米を席巻する日本マンガ
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
「ほぼトラ」にはまだ早い、米大学教授が語る「それでもバイデンが勝つ10の理由」 2024.03.12
欧米はなぜもてはやすのか? 「ロシア反体制派のヒーロー」ナワリヌイの正体 2024.02.28
トランプ派がテイラー・スウィフトを恐れる本当の理由は、2人の意外な共通点にあり? 2024.02.16
米大統領選2024は「トランプ対バイデン」の再戦へ、選挙戦を左右する5つの要因とは 2023.12.21