スクワッドとトランプのもう1つの共通点は、好き嫌いがはっきり分かれることだ。彼女たちには大勢の支持者がいるが、アメリカ全体で見ればトランプと同様「好き」より「嫌い」という答えのほうが多い。

例えばオマルは、イスラエルは「世界を催眠術にかけている」と発言して反ユダヤ主義だと非難された。オカシオコルテスは、ペロシは有色人種への「敬意を欠いている」とコメントして党内で批判を浴びた。民主党全体で見れば、彼女たちの好感度は他の有力政治家に比べて20~30ポイント低い。

スクワッドの存在はトランプの再選戦略の一部になっている可能性がある。有権者の過半数の支持を期待できないトランプにとって、再選のカギは自分が勝てそうな相手との比較に焦点を当てることだ。16年の大統領選勝利の決め手は、自分と同じように「不支持率」の高い唯一の候補者との対決になったことだった。

彼らを嫌うアメリカ人が多いという点でも、スクワッドとトランプは非常によく似ている。スクワッドに対する人種差別的ツイートの後、トランプの支持率はかえって上昇した。

政治は比較のゲームだ。トランプは再選への道を開く比較対象として、スクワッドを利用しているのかもしれない。

<本誌2019年8月13&20日号掲載>

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