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アメリカ「児童労働」議論の背景にある深刻な人手不足
さらに、16歳以上であればレストランで酒類の提供業務に従事することも可能(但し、保護者の承諾は必要)、工場や食肉処理など従来は禁止されていた職種での労働も可能とするなど、かなり踏み込んだ内容となっています。背景には、アイオワ州における極端な人手不足があります。特に今年は雪解け水による洪水が激しい中で、移民労働者の採用が困難という状況が重なり、多くの農園が自分の子どもや地域の子どもの労働力に期待せざるをえない状況があるようです。
そんな中で、共和党はこうした「児童労働の規制緩和」を全国法にしようと活動を開始していますが、民主党の一部は強く反対しています。児童の教育を受ける権利の確保という問題に加えて、アイオワのように農園での長時間労働を認めた州では、児童労働者の事故が増加しているという問題があるからです。
それにしても、14歳の子どもを深夜まで働かせなくてはならない自営業者や農園など、開拓時代のような状況を代弁する共和党と、先端技術に関わる知的労働に一人でも多くの若者を関与させたいという民主党の間には、大きな溝があります。
けれども、開拓最前線の「自分たち以外は信じられない」自己責任カルチャーと、都市を中心に人類の理想社会を成功させたいと実験を繰り返すカルチャーの対立は、その対立そのものがアメリカの「国のかたち」の原点に他なりません。そう考えると、この児童労働を巡る論争は、対立ではあるものの、アメリカが「原点に戻り」つつある動きなのかもしれないのです。
それにしても、この問題の論争が盛んなアイオワ州が、2024年の大統領選の予備選で、序盤の激戦地になるというのは、単なる偶然ではないとも思えます。
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