- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 日米貿易協定を「ウィンウィン」と呼ぶ日本の敗北主義
日米貿易協定を「ウィンウィン」と呼ぶ日本の敗北主義

日米間でとりあえず合意に達したことは評価できるが Jonathan Ernst-REUTERS
<「4兆ドル規模」の日本のデジタル市場は、関税ゼロでアメリカがごっそり持っていく>
日米の通商交渉については、茂木敏充現外相が延々と閣僚級協議を続け、なんとか先週の日米首脳会談で署名にこぎつけたわけです。トランプ政権の通商政策については、実は日本経済への影響という点では米中の交渉が妥結してくれないと困るのですが、それはともかく、日米の間でとりあえず合意に達したということは評価できると思います。
その内容ですが、多くの報道では「日本車にかかる関税が継続協議となった」こと、そして農産品に関して「TPP並みの開放となったこと」を取り上げて問題視する考え方が多いようです。ですが、よく考えるとこの2つに関しては日本側として、大きな問題ではないと考えられます。
まず、日本車については、例えばホンダの場合はほぼ100%が北米での現地生産になっていますし、トヨタの場合も以前は日本の田原工場や、トヨタ自動車九州でのみ作っていた「レクサス」ブランドのモデルも、「RX」(加オンタリオ州)や「ES」(米ケンタッキー州)といった主力車種が現地生産に移行しているからです。80年代や、90年代とは異なり、完成車輸出というのは極めて限定的であり、したがって仮にこの問題が継続協議となっても日本経済への影響は限定的なものです。
ただ、実際の有権者には80年代や90年代の感覚を残している人が多いのも事実で、政治的な効果としてはこの点での綱引きがあったのは事実でしょう。日本だけでなく、アメリカの、それこそトランプ政権の支持者の持っている時間感覚も、それこそ80年代の日米貿易摩擦の記憶を引きずっているわけで、どちらも過去の幻影を材料に交渉していたようなものとも言えます。
次に農産品に関しては、オバマ政権とのTPP合意交渉の際に、これは国内的にはいったん決断もしたし、対策も用意していたわけで、今回の決定もその範囲内なのですから、こちらも交渉での譲歩とは言えないと思います。むしろ、当初想定したアメリカが入る形でのTPPの発足よりは、日程が大きくズレたことで、日本としては農業の抜本改革のタイミングを逸してしまったということはあると思います。ですが、交渉による譲歩ではないと考えられます。
では、安倍総理の言うように、今回の結果は「日米ウィンウィン」なのかと言うと、実は2つ大きな懸念があります。
国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の「保守性」 2025.10.22
日本の次期首相に絶対的に必要なのは「円を守り抜く信念」 2025.10.15
いよいよ現実のものになった、AIが人間の雇用を奪う時代 2025.10.08
AI就職氷河期が米Z世代を直撃している 2025.10.01
クールジャパン戦略は破綻したのか 2025.09.24
日本の新政権が向き合うべき、安全保障の「ねじれ」というアキレス腱 2025.09.17
「物価高対策と財政規律の間の最適解」──ポスト石破に求められる最重要課題 2025.09.10
-
外資金融機関での施設警備員/交通費規定支給/高収入/経験者歓迎/経験者OK/未経験歓迎
株式会社G4S Secure Solutions Japan
- 東京都
- 月給35万円~37万円
- 正社員
-
外資金融機関での施設警備員/月収366,450円可能/経験者/簡単な作業/年齢不問/賞与支給
株式会社G4S Secure Solutions Japan
- 東京都
- 月給35万円~37万円
- 正社員
-
外資金融機関での施設警備スタッフ/シフト制/経験者歓迎/月収366,450円可能/賞与支給/高時給
株式会社G4S Secure Solutions Japan
- 東京都
- 月給35万円~37万円
- 正社員
-
外資金融機関での施設警備スタッフ年収472万可能/簡単な作業/高時給/経験者歓迎/未経験者
株式会社G4S Secure Solutions Japan
- 東京都
- 年収442万4,000円~472万円
- 正社員