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トランプ初会見は大荒れ、不安だらけの新政権
Shannon Stapleton-REUTERS
<大統領就任を目前に控えて当選後初の記者会見を開いたトランプ。CNNの記者と非難の応酬になったり、自分のビジネスの「利益相反」問題への対策は不十分だったりと、見えたのは不安な要素ばかり>
現地時間の今週11日、ドナルド・トランプ次期大統領は当選後初めての記者会見を開きました。場所は例によって、ニューヨーク五番街の「トランプ・タワー」で、ここにワシントンの「ホワイトハウス番」記者たちがゾロゾロ移ってきて、このイベントは開催されました。
注目された会見ですが、中身は大荒れでした。まず、冒頭にホワイトハウスの報道官に内定しているショーン・スペシア氏が登壇したのですが、大統領選挙におけるロシアのハッキング疑惑に関わるCNNなどの報道姿勢をいきなり非難、さらにトランプ氏を「紹介」するために出てきたペンス次期副大統領も同じような批判をしていました。
トランプ氏本人は「この場所で大統領選の出馬宣言をしたことを思うと感慨深い」などと最初は落ち着いた語り口でした。ですが、やがて話題が進むにつれて「いつもの」放言スタイルに逆戻りして、CNNのジム・アコスタ記者との間では、激しい非難の応酬まで飛び出す始末でした。
内容としては、大きく3つに分けられると思います。まずロシアのハッキング疑惑をめぐってですが、CNNに代表されるアメリカのメディアは、とにかくこの問題を中心に「次期政権を追及」という構えで来ていただけに、トランプ氏側も「受けて立つ」と言わんばかりの「ケンカ腰」という感じで終始していました。
【参考記事】ロシアのサイバー攻撃をようやく認めたトランプ
要するに、「ロシアがハッキング行為を行ったようだ」(これはトランプ氏も否定していません)という話がまずあり、「従って大統領選が歪められた」とか「ロシアとトランプ陣営は癒着している」というような話に発展しているのです。
この問題では、トランプ氏とその周辺は、CIAなどの諜報機関(インテリジェンス・コミュニティ)と激しく敵対し、同時にCNNなどの報道姿勢を「虚偽報道」だとして非難しています。これに対して民主党関係者やメディアは、「安全保障の根幹をなす諜報機関との確執を抱える政権では、アメリカの安全は確保できない」として、とにかくこの問題でトランプ氏を追及する構えでしたが、今回の会見では「対立の激しさ」だけが浮き彫りになった格好です。
2番目は、フォードにメキシコ工場新設を断念させて、ミシガンで工場を拡張させたというような、自動車産業などの「空洞化」への「介入」についてです。これは、次期大統領としては「ここ数週間、力を入れてきた」問題と胸を張っていました。ちなみに、トランプ氏の要求を拒否しているGMには「フォードに追随してもらいたい」と「やんわりと圧力」をかけていましたが、トヨタに関する言及はありませんでした。
3番目は大統領職と、企業の経営者という「二足のわらじ」を履くことでの「利害相反問題」です。この問題が実は今回の会見の注目点でした。というのは、本来はこの会見は昨年末の12月15日に予定されていたのですが、この「利害相反問題」の解決ができていないために、年明けまで延期された経緯があるからです。
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