- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 「3.9+5.1=9.0」が、どうして減点になるの…
「3.9+5.1=9.0」が、どうして減点になるのか?

ridvan_celik-iStock.
<教育現場での一斉指導が困難となる一方で、悪しき「横並び主義」の束縛から逃れられない日本の教育は苦悩している>
脳科学者の茂木健一郎氏が、日本の小学校における算数教育について問題提起をしています。氏のブログから該当する部分を引用してみましょう。
「昨日、小学校の算数のテストで、「3.9+5.1=9.0」と書いたら、減点されたというツイートが流れてきて、とてもびっくりした。これははっきり言って一種の子どもに対する「虐待」である。」
更に茂木氏は「これ以外にも、小学校の算数には謎の奇習があると聞く。」として、次のような例を挙げています。
「かけ算の順序、足し算の順序、という「問題」があって、2×3=6は正解だが、3×2=6は不正解、同じように2+3=5は正解だが、3+2=5は不正解、という「世界」があるのだという。」
まず、「3.9+5.1=9.0」ではダメという問題ですが、では正解は何かというと「9」でなくてはいけないのだそうです。実際の教育現場では、筆算をした結果の「9.0」において「0」にも、そして「小数点」にも斜線を引いて抹消しないといけない、その通りにしないと減点するという指導をしている学級もあるようです。
【参考記事】数学の「できない子」を強制的に生み出す日本の教育
私は最初、ずいぶん難しいことを教えるようになったのだと驚きました。というのは、「9.0」と書くと、有効数字が2桁であり、小数第2位を四捨五入した「近似値」というニュアンスが出るので、それを否定しなくてはならない、つまり「ちょうど9」だという「真の値」を示すために「9」と書かせる、そう思ったからです。
ところが、調べてみると理由は違うのです。そうではなくて、ゼロをそのままにしておくと「90」と間違える生徒がいるので、「0を消させる」必要があり、またゼロだけを消すと「9.」という小数点だけを残すという「ルール違反」になるので、念のために「小数点も消させる」というのが真相なのだそうです。
つまり「3.9+5.1=」という筆算をやらせた結果「90」や「9.」と答えてしまう誤答が増えた結果として、これを防止しなくてはならない、そのような教育現場の切羽詰まった状況が背景にはあるようです。
「物価高対策と財政規律の間の最適解」──ポスト石破に求められる最重要課題 2025.09.10
アメリカのストーカー対策、日本との違いを考える 2025.09.03
「体験格差」という言葉に覚える強烈な違和感 2025.08.27
日本の核武装コストは、どのように計算すれば良いのか 2025.08.20
被爆80年の今、真剣に議論しなければならないこと 2025.08.06
戦後80年に必要な3つのメッセージを考える 2025.07.30
参院選が引き起こした3つの重たい事実 2025.07.23
-
業界未経験OK「カスタマーサクセス~外資系企業を中心に採用の支援~」コールセンター業務経験者など活躍中
株式会社キャリアクロス
- 東京都
- 年収400万円~550万円
- 正社員
-
貿易事務/外資で経験を活かす!倉庫・物流管理/在宅週2OK/~650万 貿易事務・国際事務
ランスタッド株式会社
- 東京都
- 月給41万6,000円
- 正社員
-
外資系投資銀行の総合受付チームリーダー 土日祝休み 月25万円~ 千代田区 20代・30代活躍中
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給25万円~35万7,000円
- 正社員
-
外資系製造業大手の総務アウトソーシングのアシスタン 永田町駅
株式会社スタッフサービス ITソリューション
- 東京都
- 月給23万5,000円~
- 正社員