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日本の地方自治に「対立軸」は成立しないのか?
6番目としては、今後その地方がどんな産業を中核としていくのかという問題があります。工場を誘致するのか、農業の競争力に注力するのか、あるいは都市からの通勤圏として宅地化を進めるのかといった問題です。
7番目としては都市計画の問題で、「コンパクトシティ」を土地の買い上げまでして進めるのか、あるいは「ライトレール」などの公的交通機関をどうするのかといった争点は、しっかりと選挙の際の対立軸にすべきと思うのです。
8番目以降には、イデオロギー的な特色を地方自治に入れるのかどうかということも、全く無視は出来ないと思います。そうした色彩が求心力になり、人口を集めることができれば、それはそれで地方の生き残りにはなるからです。選択肢としては、環境、営利企業に対する態度(敵視かフレンドリーか)、教育などの問題があると思います。
いずれにしても、日本の地方行政は、明らかな岐路に立っており、選択を迫られる状況となっています。そのような中で、選挙という「意志決定のインフラ」を使って、大きな問題の決定に住民の参加を促すことは、これまで以上に重要になっているはずです。
にも関わらず、地方選挙が全般的に低調だというのは、大きな問題だと思います。実務的に「選択することに意味のある」複数の「実行可能な対立軸」を設定して、地方自治の再生を図ることは急務であると思います。