- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- アベノミクスの「賛否」という不毛な議論
アベノミクスの「賛否」という不毛な議論
日本の総選挙にあたって「アベノミクスへの賛否」という議論があるようです。確かに過度の円安にはマイナス効果があるでしょうし、株高を演出したといっても日本の場合は年金やファンドを通じて国民全体が株高の恩恵を受ける構造になって「いない」以上は、株高だけでは格差が拡大するだけという批判は出てきてしまうわけです。
ですが、いくら選挙だからといって、現時点で「アベノミクスが悪かったのだから、円高と株安に振って元に戻せばいい」という議論にはほとんど意味はないように思います。というのは、元に戻すのは不可能だからです。
一方で、今年2014年に関して4~6月期の GDPが消費税アップの反動で「マイナス7・1%」、そして7~9月期に関しては、修正後の数値は「マイナス1・9%」(いずれも年率換算)というように、GDPとしてはかなり悪い数字が出てきています。
これはアベノミクスの「悪影響」ではないのでしょうか?
確かに一連のGDPは非常に悪いですし、海外のエコノミストたちの評価としては、日本は再びリセッション(景気後退)に入ったという言い方が多くなっています。
ですが、私はこの数字は「アベノミクスの悪影響だ」とは言えないと思います。理由は3つあります。
まず「第1の矢」です。日銀は猛烈な勢いで円を供給し、一気に円安を実現し、またインフレ的な効果も部分的には見られるようになりました。ドル換算ではダメですが、円建てで見れば賃金にも上昇の気配はあります。
では、どうしてGDPは向上しないのでしょう、どうして景気実感は上向かないのでしょうか? それは「アベノミクスを実施した『から』ダメになった」のではないと思います。そうではなくて「過激なアベノミクスを実施した『にもかかわらず』経済が動き出さない」ということを人々や国内企業が感じて怯えてしまっているからです。
つまり日本の不況、いや経済の衰退には「人口減」という問題と「国内産業の競争力喪失」という問題、更に「産業の構造転換の失敗」という問題が重なっており、そのことは「人工的なインフレ政策」などでは、如何ともしがたいということが見えてきたのだと思います。
ですからアベノミクスをやった「から」ダメになったのではなく、「やっても」ダメだということが分かった、それが今回の7~9月期の「マイナス1・9」ということなのではないかと思われます。
NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショックの行方は? 2025.11.05
高市早苗新首相と田原総一朗氏との浅からぬ因縁 2025.10.29
国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の「保守性」 2025.10.22
日本の次期首相に絶対的に必要なのは「円を守り抜く信念」 2025.10.15
いよいよ現実のものになった、AIが人間の雇用を奪う時代 2025.10.08
AI就職氷河期が米Z世代を直撃している 2025.10.01
クールジャパン戦略は破綻したのか 2025.09.24
-
プロダクトエンジニア「ポテンシャル採用/大手や外資系など3000社に導入/HR SaaS「ミキワメ」/東京都/web系SE・PG/東京メトロ日比谷線虎ノ門ヒルズ駅から徒歩2分
株式会社リーディングマーク
- 東京都
- 年収400万円~550万円
- 正社員
-
プロダクトエンジニア「ポテンシャル採用/大手や外資系など3000社に導入/HR SaaS「ミキワメ」/港区虎ノ門/東京メトロ日比谷線虎ノ門ヒルズ駅から徒歩2分/web系SE・PG
株式会社リーディングマーク
- 東京都
- 年収400万円~550万円
- 正社員
-
外資金融機関 セキュリティスーパーバイザー/土日祝休み/年齢不問/未経験/経験不問
株式会社G4S Secure Solutions Japan
- 東京都
- 年収650万円~
- 正社員
-
外資金融機関 セキュリティスーパーバイザー/未経験/賞与支給/賞与あり/経験不問/資格不問
株式会社G4S Secure Solutions Japan
- 東京都
- 月給50万円~
- 正社員






