- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 追悼、フィリップ・シーモア・ホフマン
追悼、フィリップ・シーモア・ホフマン
ハリウッド映画には、アート的な人間ドラマというジャンルがあります。小説で言えば、純文学的なカテゴリであり、マーケットとしては大きくはありません。その一方で、こうしたアート的な映画、あるいはその中での演技というのは、それがオスカーの対象になることは多いわけです。
ですが、それは賞レースに組み込むことで、本来は小さな市場しかない作品群をムリに売り出しているわけではないのです。こうしたジャンルの映画があり、そこで人材を鍛えるというシステムがなければ、ハリウッドというビジネス全体のクオリティが確保できないわけで、その意味ではこうしたアート系の映画を、アメリカの映画産業としては真剣に制作しているのだと言えます。
悪いことではありません。むしろ、必要なことだと言って良いと思います。日本で言えば、古典芸能の世界と芸能界の関係に近いかもしれません。また、こうしたアート系の映画で活躍する「演技巧者」の人々は、同時に舞台俳優としてアメリカの演劇界を支えているとも言えます。
フィリップ・シーモア・ホフマンという人は、そのハリウッドの演技界にあって、90年代から今日に至るまで代表的な存在でした。新作映画の情報が流れた時に、そこにホフマンの名前があれば興味が湧くし、実際にその作品を見れば、作品はともかくホフマンの演技には裏切られることはない、ある意味で、それは多くの映画好きに取って「当然の習慣」になっていたように思います。
そのホフマンは、『カポーティ』(2005年)でオスカーの主演男優賞を取っているのですが、その受賞についても、極めて当然視されていますし、またオスカーを取ったからホフマンが特別な存在になったわけでもないと思っていました。今後もホフマンはアート系のコンパクトな映画でも、大予算のエンターテインメント大作でも才能を発揮し続けるに違いないし、事実、その演技力は進化しつつこそあれ、沈滞の影は全く感じられなかったのです。
ですが、もうホフマンはこの世の人ではなくなりました。そのキャリアは46歳という若さで断たれ、一部の遺作を除いてもう彼の新作を見ることはできないのです。
死因はヘロインの過剰摂取と伝えられています。報道によれば、昨年来、薬物中毒の治療中であったということと、ヘロインだけでなく、処方箋薬の濫用癖もあったようです。死因については、検死結果により解明が待たれます。
ホフマンの出演作品は膨大な数に上りますが、どんな小さな役でもドラマの文脈を精密に踏まえた「劇」を演ずることで、スクリーンの中で存在感を見せていました。私は彼の全作品は見ていませんが、本日は追悼の意味を込めて「これは」という出演作を5本取り上げてみたいと思います。
日本の次期首相に絶対的に必要なのは「円を守り抜く信念」 2025.10.15
いよいよ現実のものになった、AIが人間の雇用を奪う時代 2025.10.08
AI就職氷河期が米Z世代を直撃している 2025.10.01
クールジャパン戦略は破綻したのか 2025.09.24
日本の新政権が向き合うべき、安全保障の「ねじれ」というアキレス腱 2025.09.17
「物価高対策と財政規律の間の最適解」──ポスト石破に求められる最重要課題 2025.09.10
アメリカのストーカー対策、日本との違いを考える 2025.09.03
-
人事マネージャー候補/外資系大手オンラインメディア企業
株式会社クリーク・アンド・リバー社
- 東京都
- 年収750万円~950万円
- 正社員
-
外資金融機関での施設警備スタッフ年収472万可能/賞与支給/簡単な作業/夜勤あり/経験者
株式会社G4S Secure Solutions Japan
- 東京都
- 年収442万4,000円~472万円
- 正社員
-
外資金融機関での施設警備/経験歓迎/月収366,450円可能/夜勤あり/賞与支給/簡単な作業
株式会社G4S Secure Solutions Japan
- 東京都
- 月給35万円~37万円
- 正社員
-
外資金融機関での施設警備員/警備経験/夜勤あり/簡単な作業/月収366,450円可能/賞与支給
株式会社G4S Secure Solutions Japan
- 東京都
- 月給35万円~37万円
- 正社員