Picture Power

【写真特集】脅かされる野生動物のパラダイス

PARADISE, INC.

Photographs by Guillaume Bonn

2025年06月07日(土)12時36分

マサイ・マラ国立保護区に隣接する採石場に寝そべるライオン。石材は新たな観光客向け宿泊施設の建設に使われる。本来なら保護区の周囲の土地も野生動物の生活場所だったが、今では人間の経済活動に侵食されつつある<br />

マサイ・マラ国立保護区に隣接する採石場に寝そべるライオン。石材は新たな観光客向け宿泊施設の建設に使われる。本来なら保護区の周囲の土地も野生動物の生活場所だったが、今では人間の経済活動に侵食されつつある


マサイ・マラ国立保護区はさまざまな野生動物を観察できる人気のサファリ観光地だ。しかし宿泊施設の建設やオーバーツーリズムによって、自然のバランスの上に成り立ってきた保護区の生態系は崩壊の危機に直面している

マサイ・マラ国立保護区はさまざまな野生動物を観察できる人気のサファリ観光地だ。しかし宿泊施設の建設やオーバーツーリズムによって、自然のバランスの上に成り立ってきた保護区の生態系は崩壊の危機に直面している


ケニア南西部のマサイ・マラ国立保護区のサバンナにいるキリンの群れ。ここではシマウマやヌー、アフリカスイギュウやゾウなど多くの野生動物の群れを一度に見ることができ、人気の観光地となっている

ケニア南西部のマサイ・マラ国立保護区のサバンナにいるキリンの群れ。ここではシマウマやヌー、アフリカスイギュウやゾウなど多くの野生動物の群れを一度に見ることができ、人気の観光地となっている


野生動物の保護区では、近隣のロッジのシェフが屋外で慌ただしく働く。宿泊客が早朝の熱気球観光から戻ってくるまでに朝食を準備するのだという

野生動物の保護区では、近隣のロッジのシェフが屋外で慌ただしく働く。宿泊客が早朝の熱気球観光から戻ってくるまでに朝食を準備するのだという


民間アパートに改築されることになったモンバサの高層ビル。過去50年でケニアの人口は約6倍に膨れ上がり、今後はさらに増加すると見込まれている。それに伴って、開発と環境破壊も加速すると予想される

民間アパートに改築されることになったモンバサの高層ビル。過去50年でケニアの人口は約6倍に膨れ上がり、今後はさらに増加すると見込まれている。それに伴って、開発と環境破壊も加速すると予想される


<人間の経済活動に侵食されつつある日曜の午後にビーチでくつろぐケニアの人々。アフリカの人口は2050年までに全世界の人口の25%を占めるまで増加すると予測されている。それは必然的に自然環境や野生動物にとっての脅威となる

人間の経済活動に侵食されつつある日曜の午後にビーチでくつろぐケニアの人々。アフリカの人口は2050年までに全世界の人口の25%を占めるまで増加すると予測されている。それは必然的に自然環境や野生動物にとっての脅威となる


ケニア北西部のトゥルカナは、乾燥地帯にあり経済発展から取り残された地域で、牧畜民のコミュニティーが伝統的な生活を維持していた。しかし近年、油田が発見されたことで開発の波にのみ込まれている

ケニア北西部のトゥルカナは、乾燥地帯にあり経済発展から取り残された地域で、牧畜民のコミュニティーが伝統的な生活を維持していた。しかし近年、油田が発見されたことで開発の波にのみ込まれている


マサイ・マラ国立保護区外れの5つ星ロッジから出たゴミをあさるイノシシ。保護区の生態系はホテルや宿泊施設の違法行為によって脅かされているが、管理当局には汚職が横行しているためこうした違法行為は見逃されている

マサイ・マラ国立保護区外れの5つ星ロッジから出たゴミをあさるイノシシ。保護区の生態系はホテルや宿泊施設の違法行為によって脅かされているが、管理当局には汚職が横行しているためこうした違法行為は見逃されている


撮影:ギヨーム・ボン
ドキュメンタリー写真家兼映像作家。違法象牙取引、ダルフールの人道危機、コンゴ民主共和国での国連平和維持部隊による児童性虐待などを取材し、米バニティ・フェア誌、ニューヨーク・タイムズ紙に寄稿してきた。本作は、新刊写真集『パラダイス・インク』(エメリア社刊)に収録されている


 【連載21周年】 Newsweek日本版 写真で世界を伝える「Picture Power」
    2025年6月10日号 掲載

ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米ワシントン空港で地上待機命令、管制官不足 政府閉

ビジネス

ゴールドマン・サックスCEO、米政府債務の増大に警

ビジネス

米コムキャスト、7─9月期は減収 テーマパークや映

ワールド

ハマス、新たに人質2遺体を返還 ガザで空爆続く中
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面に ロシア軍が8倍の主力部隊を投入
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 8
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 9
    必要な証拠の95%を確保していたのに...中国のスパイ…
  • 10
    【クイズ】開館が近づく「大エジプト博物館」...総工…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」にSNS震撼、誰もが恐れる「その正体」とは?
  • 4
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 10
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story