Picture Power

【写真特集】ウクライナ戦争、フォトジャーナリスト93人の証言

WITNESSING WAR CRIMES IN UKRAINE

Photographs by Ninety-three Photojournalists

2023年11月10日(金)17時00分
ウクライナ北部チェルニヒウで、瓦礫 に埋もれた家財道具を回収する隣人を 手伝う男性(56)。ロシア軍に39日間 包囲された同市では、700人が死亡し たという(バイロン・スミス撮影、4月 北東部ハルキウの仮設住宅に身を寄せ 28日。写真は全て2022年に撮影)

ウクライナ北部チェルニヒウで、瓦礫 に埋もれた家財道具を回収する隣人を 手伝う男性(56)。ロシア軍に39日間 包囲された同市では、700人が死亡し たという(バイロン・スミス撮影、4月 北東部ハルキウの仮設住宅に身を寄せ 28日。写真は全て2022年に撮影)

<「全ての戦争は無意味であり、ウクライナ侵攻も例外ではない。戦争は命だけではなく愛、喜び、希望も根こそぎ奪う」(写真家/ジョン・スタンマイヤー) 世界29カ国からウクライナへと向かったフォトジャーナリストたちによる新刊写真集>

人間を戦争へと駆り立てる動機は枚挙にいとまがなく、 世界中で繰り返される戦火がやむことはない。

新刊写真集『ウクライナ: 戦争犯罪』には、ロシアがウクライナ侵攻を開始した2022年2月から1年間で、29カ国 93人のフォトジャーナリス トが撮った写真366点と、生存者の体験談や残虐行為の 目撃証言が収められている。 殺戮、憎悪、絶望──目を背けたくなる戦争の現実だ。

戦場取材の経験が豊富なベテラン写真家ジョン・スタンマイヤーは本書で、「全ての戦争は無意味であり、ウクライナ侵攻も例外ではない。戦争は命だけではなく愛、喜び、希望も根こそぎ奪う」と書いている。

かけがえのないものを奪い去 った犯罪の証拠がここに記録されている。

Photographs from "Ukraine: A War Crime" published by FotoEvidence

北東部ハルキウの仮設住宅に身を寄せる70代の夫婦。住んでいた町は戦闘の最前線となり、水、ガス、電気が遮断された(ニコル・タン撮影、9月25日)

北東部ハルキウの仮設住宅に身を寄せる70代の夫婦。住んでいた町は戦闘の最前線となり、水、ガス、電気が遮断された(ニコル・タン撮影、9月25日


ロシアが侵攻を開始した2月24日、ウクライナ政府は希望する市民に武器を供与すると発表した。その翌日、首都キーウ近郊ファスティフの武器保管施設で銃を受け取る人々(ブレンダン・ホフマン撮影)

ロシアが侵攻を開始した2月24日、ウクライナ政府は希望する市民に武器を供与すると発表した。その翌日、首都キーウ近郊ファスティフの武器保管施設で銃を受け取る人々(ブレンダン・ホフマン撮影)


キーウに向かう高速道路でロシアの戦車と撮影する女性。4月の キーウ州奪還後、地元に戻る市民にとってこうした戦車の残骸は 勝利の記念碑になった(ウルフギャング・シュワン撮影、5月2日)

キーウに向かう高速道路でロシアの戦車と撮影する女性。4月の キーウ州奪還後、地元に戻る市民にとってこうした戦車の残骸は 勝利の記念碑になった(ウルフギャング・シュワン撮影、5月2日)


キーウ近郊イルピンでウクラ イナ軍特殊部隊に拘束された ロシアのスパイ。男はロシアの 民間軍事会社ワグネルのメン バーで偽のイスラエルのパス ポートを所持し、侵攻の数カ月 前からイルピンにいた(ジブ・ コーレン撮影、3月30日)

キーウ近郊イルピンでウクラ イナ軍特殊部隊に拘束された ロシアのスパイ。男はロシアの 民間軍事会社ワグネルのメン バーで偽のイスラエルのパス ポートを所持し、侵攻の数カ月 前からイルピンにいた(ジブ・ コーレン撮影、3月30日)


南部オデーサの劇場前でダ ンスをする若者たち。17歳前 後の彼らは、戦争で失ったも のを世界に伝えるビデオを制 作している。ロシア侵攻に抵 抗する手段としての芸術的パ フォーマンスだ(レティシア・ バンコン撮影、6月15日)

南部オデーサの劇場前でダ ンスをする若者たち。17歳前 後の彼らは、戦争で失ったも のを世界に伝えるビデオを制 作している。ロシア侵攻に抵 抗する手段としての芸術的パ フォーマンスだ(レティシア・ バンコン撮影、6月15日)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ナワリヌイ氏殺害、プーチン氏は命じず 米当局分析=

ビジネス

アングル:最高値のビットコイン、環境負荷論争も白熱

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ」「ゲーム」「へのへのもへじ」

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 7

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 8

    走行中なのに運転手を殴打、バスは建物に衝突...衝撃…

  • 9

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 10

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story