インドネシアを走る「都営地下鉄三田線」...市民の足を支える日本の中古車両の行方は?
日本の中古車両の運行やメンテナンスになじんだKCIは当初苦労するかもしれない。ただ、地場の企業を育てようとする政策は、どこの国も通ってきた道である。自国製の新車に転換していくのは、都市鉄道の需要の増加が見込まれるインドネシアなら当然ともいえる。
取材をしていると、技術などを含めた日本への肯定感に心くすぐられてくる。中古車両が外国で長く活躍する姿が日本で注目を集めるのは、単なる懐旧だけではないのではないか。異国で頑張る「日本」への承認と満足感が潜んでいるように感じる。
車内に残る日本語の表示の写真を撮りつつ、地元の人々はどんなふうに感じているのかな、と思った。
仮に、日本が戦後しばらく経っても、財政上の理由から米国から引退した車両を安く譲り受ける状態が続いていたとする。そこへ米国人観光客がやってきてはしゃいで写真を撮っていたら......?
ほほえましく受け止める人ばかりだろうか。複雑な感情を抱く人がいても、おかしくない。そんなことを考えて、早々にカメラをしまった。
「日本人は、よほど鉄道が好きなのだなあと思うだけだよ」
私が抱く懸念に対して、ジャカルタで会った国際政治学者はそう、笑っていたが......。
※後編:「特急オホーツク」「寝台特急北斗星」がタイを走る...地元でも愛される、中古車両の幸せな「第2の人生」を追う に続く。
𠮷岡桂子(Keiko Yoshioka)
1964年岡山県生まれ。岡山大学法学部卒業後、山陽放送アナウンサーを経て朝日新聞記者。北京・上海特派員として約8年間、中国に駐在。2020年9月まで3年半、バンコクを拠点に20カ国以上を訪ねて中国の影響力を取材した。新刊『鉄道と愛国 中国・アジア3万キロを列車で旅して考えた』(岩波書店)をはじめ、著書に『人民元の興亡 毛沢東・鄧小平・習近平が見た夢』(小学館)、『問答有用 中国改革派19人に聞く』(岩波書店)、『愛国経済 中国の全球化』など。ユーラシアから中国を見ようと、23年秋からブダペスト在住。
『鉄道と愛国 中国・アジア3万キロを列車で旅して考えた』
𠮷岡桂子[著]
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