シリアIS占領地消滅でアルカイダは復活するか──3つの不吉な予兆
これに対して、ISの基本方針は、イスラーム国家の樹立にある。「イスラームの教義に基づく社会の建設」というイスラーム過激派の大義からすれば、ISのゴール設定の方がわかりやすい。しかし、アルカイダ首脳はこれを「敵から狙われやすくなる」として認めなかった。この路線の違いから、アルカイダとISはいわばケンカ別れしたのだ。
さらにアルカイダにとって、ISの台頭は大きな損失をもたらした。
ISの台頭以前、アルカイダは「国際的イスラーム過激派組織」の本流だった。しかし、ISが注目を集めるにつれ、世界各地のイスラーム過激派の間からISに支持や忠誠を表明する組織が相次ぎ、これによってアルカイダは支持者を失うことになった。支持者を失うことは、戦闘員・協力者のリクルートやイスラーム世界での「献金」で支障をきたすことになる。
そのアルカイダにとって、多くの国から脅威とみなされたISの退潮は、「厄介なライバルを『共通の敵』が葬ってくれた」と映るだろう。
アルカイダにとっての追い風
こうした背景のもと、アルカイダにとって追い風が吹き始めている。そこには、主に以下の3つのポイントがあげられる。
・カリスマ的リーダーの登場
・サウジアラビアの方針転換
・欧米諸国の失点
このうち、まず「カリスマ的リーダーの登場」についてみていこう。
アメリカ国務省は3月2日、「オサマ・ビン・ラディンの息子の一人ハンザ・ビン・ラディンがアルカイダ指導者として足場を固めつつある」との見解を示した。詳しい情報は定かでないものの、報道によると、ハンザは30~35歳とみられ、その妻は9.11テロの実行部隊を率いたモハメド・アタの娘と言われる。
1998年の「グローバル・ジハード宣言」でアメリカに宣戦布告し、最終的に2011年にアメリカ軍に殺害されたビン・ラディンは、イスラーム過激派の世界では、英雄、殉教者と位置づけられる。血統を重視するアラブ人にとって、「ビン・ラディンの息子」というシンボルは、これ以上ないリーダー候補となる。イスラーム過激派の世界でやはり伝説的人物として語られるモハメド・アタの娘と夫婦となれば、その権威はさらに上がる。
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