コラム

それでも悪化しなかった米経済...2026年「3つのリスク要因」と最重要な「生成AIの経済効果」

2025年12月11日(木)11時15分

生成AIブームで株価は上がったが、実体経済はどうなるか

これらのリスク要因よりも、2026年の米国経済を考える上でより重要な論点は、生成AIなどの経済効果である。技術革新が広がる中で、企業の投資活動が積極化し、さらに労働生産性が高まるなどの効果がもたらされるだろう。

既に生成AIブーム到来による将来の利益成長は、大型ハイテク企業の株価形成で相当織り込まれており、その結果、米国株市場全体のバリュエーションが高まっている。

2026年からは、株式市場にやや遅れながらも、生成AI活用が浸透するにつれ、技術革新が経済成長を高める動きが散見されると予想される。

技術革新を使いこなして生き残る企業群に対し、株式市場による適切な評価が行われる過程で、既に割高領域にある米国の株価水準は2026年も正当化される、と筆者は見込んでいる。

(本稿で示された内容や意見は筆者個人によるもので、所属する機関の見解を示すものではありません)

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プロフィール

村上尚己

アセットマネジメントOne シニアエコノミスト。東京大学経済学部卒業。シンクタンク、証券会社、資産運用会社で国内外の経済・金融市場の分析に20年以上従事。2003年からゴールドマン・サックス証券でエコノミストとして日本経済の予測全般を担当、2008年マネックス証券 チーフエコノミスト、2014年アライアンスバーンスタン マーケットストラテジスト。2019年4月から現職。『日本の正しい未来――世界一豊かになる条件』講談社α新書、など著書多数。最新刊は『円安の何が悪いのか?』フォレスト新書。

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