ホアキン&ペドロがコロナ禍で狂った町で激突――不快なのにクセになる、アリ・アスターの風刺劇『エディントンへようこそ』
COVID Fever Dreams
保安官のジョー(左)と市長のテッドは仁義なき中傷合戦を展開 ©2025 JOE CROSS FOR MAYOR RIGHTS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
<マスク論争や陰謀論、政治的分断...忘れかけていたパンデミックの記憶を、生々しく、そして皮肉たっぷりに描き出す――(ネタバレなしレビュー)>
ドラマ『ザ・ピット/ピッツバーグ救急医療室』(原題:The Pitt)の救命医ロビーはあらゆる修羅場をくぐり抜けた男だ。今では持ち場が銃乱射事件の被害者でいっぱいになっても動じずに命を救い、若手を教え導く。
だがそんな名医にも乗り越えられないトラウマがある。
新型コロナウイルスの感染拡大がピークに達した頃、人手と物資が逼迫するなかでロビーは過酷な決断を下した。生存の見込みが高い患者を優先し、ECMO(エクモ)につながれた恩師の生命維持装置を外したのだ。
5年がたってもその悪夢がフラッシュバックするたび、ロビーは冷静さを失う。
コロナ禍は私たち皆を打ちのめした。だがオミクロン株の流行からまだ3年ほどだというのにその記憶は既に遠くぼんやりとして、目に触れないように棚の奥に突っ込んだ古い写真を思わせる。
ロビーのトラウマはドラマの一つの要素でしかないが、アリ・アスター監督の新作映画『エディントンへようこそ』(原題:Eddington)はパンデミックの記憶をフルに突き付ける。
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