コラム

『ブレイキング・バッド』のスピンオフ映画『エルカミーノ』がすごい理由

2025年12月06日(土)17時10分

ILLUSTRATION BY NATSUCO MOON FOR NEWSWEEK JAPAN

<いつもの前提を覆して、今回はネットフリックスで配信されている『エルカミーノ:ブレイキング・バッド THE MOVIE』を取り上げる>

この連載で取り上げる映画は、基本的にスクリーンで観たことが前提だ。この縛りは手放したくない。でも今回はちょっと変則。ネットフリックスで配信されている『エルカミーノ:ブレイキング・バッド THE MOVIE』だ。

2019年10月に全世界で独占配信されると同時に、アメリカ国内では期間限定で劇場公開されている。サブタイトルにも「THE MOVIE」と謳(うた)っているし、スクリーンで観るという縛りを今回は解除する。


『エルカミーノ』はアメリカのケーブルチャンネルAMCで10年以上も前に放送されたテレビドラマ『ブレイキング・バッド』の続編だ。

テレビ版は全62話。放送時から大きな反響を呼び、エミー賞やゴールデングローブ賞など多くの賞を獲得している。まずはこの62話を踏まえないと、本作は全く楽しめないし理解もできない。もちろんこのレビューも。

50歳のウォルター・ホワイトは高校の化学教師だ。妻は2人目を妊娠中で長男は軽度の脳性麻痺。多額の住宅ローンを抱え給料だけでは生活できずアルバイトを掛け持ちしていたが、ステージ3Aの肺癌で余命2~3年と宣告される。

悩んだウォルターは一獲千金を狙い、元教え子の麻薬売人ジェシー・ピンクマンを相棒に、メタンフェタミン(覚醒剤)の製造を始める。

プロフィール

森達也

映画監督、作家。明治大学特任教授。主な作品にオウム真理教信者のドキュメンタリー映画『A』や『FAKE』『i−新聞記者ドキュメント−』がある。著書も『A3』『死刑』など多数。

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