コラム

大阪・関西万博「未来的目玉展示」...落合陽一氏のシグネチャーパビリオン「null2」は、何を伝えている?

2025年09月12日(金)08時30分

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一際目立つ外観の「null2」パビリオン

パビリオンを満喫するならアプリをDL

来館して満喫するために、事前に「Mirrored Body(ミラードボディ)」と「Scaniverse - 3D Scanner(スキャニバース)」のアプリのダウンロードや登録を奨励している。ただ、人気ゆえに、予約は取りづらい。そうしたことへの配慮から、「45秒で体験するnull2の世界」として、「ウォークスルーモード」も用意し、気軽に楽しめる工夫を凝らしている。

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専用アプリ「Mirrored Body®(ミラードボディ)」の登録画面

全方向が鏡面

内部はより一層、不可思議でカオティックな世界が眼前、のみならず頭上、背後、足元、左右の全方向に広がる。壁、天井、床の全体が鏡面で、あらゆる面に自分や他人が映り込み、互いに結ばれる像は果てしなく続いているようにも見える。

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全面鏡張りで異空間に迷い込んだ没入感を覚える

null(0)とinfinity(∞)の混沌とする空間で、中央に配された喋る「モノリス」が、「もりにちいさなヒトはいました」と語り出す。モノリスは、SFの名作『2001年宇宙の旅』に登場する石柱状の謎の物体だ。次第にモノリスの自問が始まる。その問いは来場者へと向けられてもいる。

「きっとぼくもすぐおとなになってじんせいもあっというまにおわってしまうのかなぁ。......だいじょうぶ。おとなになってもきみをまたおさなごころのヌルにもどしてあげる。」

パビリオン全体として、ヒトに、いのちや意識や知識とは何かを問い掛け、考えさせる装置と言える。

プロフィール

南 龍太

共同通信社経済部記者などを経て渡米。未来を学問する"未来学"(Futurology/Futures Studies)の普及に取り組み、2019年から国際NGO世界未来学連盟(WFSF・本部パリ)アソシエイト。2020年にWFSF日本支部創設、現・日本未来学会理事。主著に『未来学』(白水社)、『生成AIの常識』(ソシム)『AI・5G・IC業界大研究』(いずれも産学社)など、訳書に『Futures Thinking Playbook』(Amazon Services International, Inc.)。東京外国語大学卒。

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