コラム

大阪・関西万博「未来的目玉展示」...落合陽一氏のシグネチャーパビリオン「null2」は、何を伝えている?

2025年09月12日(金)08時30分

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3Dスキャンした自分の分身がパビリオンの演出とアプリとで連動する

子どもには難しい? 大人にも難しい

あまり多くを伝えるとネタバレになるため詳述は避けるが、あえてパビリオンを要すれば、「いのちを磨く」をコンセプトとした「デジタルネイチャー(計算機自然)」の世界だ。意味深長なメッセージが十重二十重に織り込まれ、最終的に主体と客体の逆転による「気付き」を促す。内側からの主観的な没入と外側からの客観的な視座の獲得、その両方を経験することで、パビリオン「null2」の多層的な含意の一端が分かるかもしれない。

なお、このnull2のコンセプトについて、落合氏自身が解説するウェブサイトもある。曰く、「計算機自然は、「万物あらゆるものは計算をしてる」と仮定し、人間を脱中心化することによって 、人間が知性や主体性の唯一の座ではなく、より大きな相互接続された計算生態系の一部である未来を示唆する」

これを読んだだけでは、何のことやらといった感慨を抱かれるだろう。そうした懸念を見越してか、パビリオンのメッセージを読み解くための、分かりやすい絵本や漫画も用意されている。ただ、一部ネタバレもあるため注意が必要だ。

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null2を解説する絵本と漫画のウェブサイト

考えるのはおまけ

落合氏はまた、「『頭を使うのはヒトのちょっとしたおまけです』 っていうのがすんなり入らないとわかんなくなってしまうらしい」とSNSのX(旧Twitter)で投稿している。「頭を使うことはおまけ」という思惟がこの展示のネックであり、キーでもあるようだ。

プロフィール

南 龍太

共同通信社経済部記者などを経て渡米。未来を学問する"未来学"(Futurology/Futures Studies)の普及に取り組み、2019年から国際NGO世界未来学連盟(WFSF・本部パリ)アソシエイト。2020年にWFSF日本支部創設、現・日本未来学会理事。主著に『未来学』(白水社)、『生成AIの常識』(ソシム)『AI・5G・IC業界大研究』(いずれも産学社)など、訳書に『Futures Thinking Playbook』(Amazon Services International, Inc.)。東京外国語大学卒。

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