コラム

AIがついに人類に「牙をむいた」...中国系組織の「サイバー攻撃」は、AIが自律的に実施していた

2026年01月17日(土)19時48分

AIを使った攻撃にはどう対応すべきなのか

1分間に数百回の偵察を行う自律型システムに対し、この時間的ギャップはグローバル企業にとって戦略なリスクとなっていくだろう。ではこうしたAIを使った攻撃にはどう対応すべきなのか。

まずはAIによる脅威を企業のリスクとして認識することが必要だ。内部で使うAIツールの悪用やプロンプトインジェクション(AIに対する不正な指示)のリスク監視ポリシーを作成する。そして1分間に数千回にもなる「機械スピードの偵察」を監視する。

また、従来通り、パスワードレス認証、ハードウェアベースのMFA(多要素認証)、権限アクセスの徹底することが大事だ。また、異常検知やコード分析、迅速なトリアージ(対応の優先順位の決定)に防御側もAIツールを導入する。

今回のような、動きを代行してくれるエージェント型AIによる攻撃は、サイバー戦における不可逆的な変化だと言っていい。攻撃者は今後、防御を凌駕するペースで侵入を拡大し、戦術を適応させてくるだろう。

防御側はリアクティブ(事後対応的)な戦略を脱し、予測インテリジェンスと機械スピードの可視性を備えたアンティシパトリ(先取り型)な姿勢を採用しなければならない。さもないと対応もままならない。2025年9月のGTG-1002によるキャンペーンは、単なる一過性の事件ではなく、自律型AIアクターが支配する新たな時代の幕開けを告げる「警告」である。

次なるステップとして、貴組織の現在の検知プロセスが「機械の時間」で行われる偵察にどの程度対応できているか、評価を開始することをお勧めする。

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プロフィール

クマル・リテシュ

Kumar Ritesh イギリスのMI6(秘密情報部)で、サイバーインテリジェンスと対テロ部門の責任者として、サイバー戦の最前線で勤務。IBM研究所やコンサル会社PwCを経て、世界最大の鉱業会社BHPのサイバーセキュリティ最高責任者(CISO)を歴任。現在は、シンガポールに拠点を置くサイバーセキュリティ会社CYFIRMA(サイファーマ)の創設者兼CEOで、日本(東京都千代田区)、APAC(アジア太平洋)、EMEA(欧州・中東・アフリカ)、アメリカでビジネスを展開している。公共部門と民間部門の両方で深いサイバーセキュリティの専門知識をもち、日本のサイバーセキュリティ環境の強化を目標のひとつに掲げている。
twitter.com/riteshcyber

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