コラム

中国、北朝鮮などから「1日240万件」の攻撃...台湾「サイバー攻撃」の実態から日本が学べること

2025年03月14日(金)17時32分
中国などからのサイバー攻撃の標的になる台湾

BreizhAtao/Shutterstock

<台湾へのサイバー攻撃件数は昨年に激増。根底には地政学的な緊張があるが、半導体や電子機器などの成功が産業スパイを惹きつけている面もあり、あらゆる業界が標的に>

2024年、台湾では中国などの勢力によるサイバー攻撃が激増した。

台湾の安全保障当局によれば、2024年の一年で台湾に対して行われたサイバー攻撃の大半は中国のハッカーらによるもので、攻撃件数は1日平均で240万件に倍増したという。

実は台湾が中国などからの脅威に晒されているのはサイバー空間でも同じである。現在では国際情勢を語るのにはサイバー攻撃について知ることも不可欠であり、地政学的なサイバー脅威を知ることがサイバー攻撃への対策にもなる。台湾への脅威やその動向は、日本でもできる限り把握しておいた方がいいだろう。

まず、なぜサイバー攻撃者たちは台湾を狙うのか。その理由はいくつもあるが、地政学的な緊張が根底にあるのは言うまでもない。中国政府により台湾統一という目標だけでなく、台湾と中国との間で続いている主権争いが、軍事や経済の対立に拍車をかけ、中国による根強いサイバー空間でのスパイ活動が活発になっている。

加えて、台湾とアメリカなどとの同盟関係が、中国などの国家による台湾の監視と干渉をさらに増大させている。そのためにサイバー攻撃が行われる。

プロフィール

クマル・リテシュ

Kumar Ritesh イギリスのMI6(秘密情報部)で、サイバーインテリジェンスと対テロ部門の責任者として、サイバー戦の最前線で勤務。IBM研究所やコンサル会社PwCを経て、世界最大の鉱業会社BHPのサイバーセキュリティ最高責任者(CISO)を歴任。現在は、シンガポールに拠点を置くサイバーセキュリティ会社CYFIRMA(サイファーマ)の創設者兼CEOで、日本(東京都千代田区)、APAC(アジア太平洋)、EMEA(欧州・中東・アフリカ)、アメリカでビジネスを展開している。公共部門と民間部門の両方で深いサイバーセキュリティの専門知識をもち、日本のサイバーセキュリティ環境の強化を目標のひとつに掲げている。
twitter.com/riteshcyber

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

中国製造業PMI、2月は2カ月連続で50割れ 民間

ワールド

米ベスト・バイ、メモリー高騰への対応に奔走 関税負

ワールド

トランプ関税返還訴訟が国際貿易裁判所に殺到、200

ワールド

米中間選挙に向け予備選始まる、テキサス州接戦 イラ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 4
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 5
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 6
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 7
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 8
    人気の女性インフルエンサー、「直視できない」すご…
  • 9
    イランへの直接攻撃は世界を変えた...秩序が崩壊する…
  • 10
    「日本食ブーム」は止まらない...抹茶、日本酒に「あ…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 10
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story