コラム

年末年始に注意したい空き巣被害と、犯人が侵入を諦める住宅の特徴

2022年12月07日(水)16時40分

戸建住宅についても、犯罪被害を防止するには、共同住宅と同様に、「入りにくく見えやすい家」にする必要がある。例えば、電柱、エアコンの室外機、カーポート、物置などが2階への侵入経路にならないようにすることが望まれる。

コンクリート塀やブロック塀も、「入りにくさ」を高めるものではあるが、周囲からの視線を遮り、「見えやすさ」を著しく損なうので、メッシュフェンスや低い生垣の方が好ましい。

また、フェンスに花鉢をつるせば、乗り越えにくくなって「入りにくさ」が高まるとともに、通行人の視線を呼び込み「見えやすさ」も高まる。さらに、庭に防犯砂利を敷くことは、足音を響かせるので「入りにくさ」を高め、センサー付きライトやテレビドアホンは、「見えやすさ」を高める。

年末年始、大掃除などでゴミを多く出すこともあるかもしれないが、燃えやすいものを「入りやすく見えにくい場所」に置いたままにしないことが、「放火の機会」を与えないために必要だ。

2階以上も油断は禁物

共同住宅も戸建住宅も、最後の砦として、玄関ドアや窓など住宅の開口部の「入りにくさ」を高めることが重要である。警視庁の調査でも、10分以内に9割が侵入を諦めたと報告されている。したがって、一つのドアに二つ以上のカギを取り付けたり(ワンドア・ツーロック)、窓に補助錠や面格子を設けたりして標的を強固にすれば、犯行を断念する可能性が高まる。

もちろん、「鍵掛け」を徹底することが最低限の対策だ。例えば、「上の階だから」ということで、窓を無施錠のままにしておくことは危険である。実際、無施錠だった2階ベランダ側の窓から侵入された強盗殺人事件があった。犯人は、向かいの棟の2階廊下から2メートル離れたベランダに飛び移ったという。2階以上でも油断は禁物なのである。

「注意一瞬、事件一生」。リスク・マネジメントの基本は「最悪に備えよ」である。ゆめゆめ、犯人は隙を狙ってくることを忘れないでほしい。

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埼玉県川口市で起きた強盗殺人事件の現場。赤矢印は、犯人が飛び移ったルート(筆者撮影)

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プロフィール

小宮信夫

立正大学教授(犯罪学)/社会学博士。日本人として初めてケンブリッジ大学大学院犯罪学研究科を修了。国連アジア極東犯罪防止研修所、法務省法務総合研究所などを経て現職。「地域安全マップ」の考案者。警察庁の安全・安心まちづくり調査研究会座長、東京都の非行防止・被害防止教育委員会座長などを歴任。代表的著作は、『写真でわかる世界の防犯 ——遺跡・デザイン・まちづくり』(小学館、全国学校図書館協議会選定図書)。NHK「クローズアップ現代」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などテレビへの出演、新聞の取材(これまでの記事は1700件以上)、全国各地での講演も多数。公式ホームページはこちら。YouTube チャンネルはこちら

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