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「嫌韓」保守政治と「反日」旧統一教会の併存を生んだ日本政治の弛緩
80年代末から90年代初めにかけて東西冷戦が終結すると、統一教会は反共の代わりに「世界平和」と「家庭」を前面に押し出し、1997年に世界平和統一家庭連合に改称する(日本での宗教法人名変更は2015年)。文鮮明が2012年に死去した後、妻・韓鶴子(ハン・ハクチャ)が後継するも教団は家族間で分裂。反共に代わる錦の御旗なき教団の影響力は減衰していく。
同じ2012年に安倍元首相は復権を果たし、第2次自公連立政権を樹立するが、政権支持の裾野は神道政治連盟や日本会議など幅広く保守層に広がりを見せていた。旧統一教会はその一端にすぎず、安倍元首相との関係は当初、先代からの残像効果による付き合い程度にとどまっていたとされる。
現在明らかにされている政治家と旧統一教会の関わりは主に教団側からの働き掛けが起点であり、行事出席や祝電、旧統一教会系メディアの取材対応、パーティー券購入や政治献金といった日常的政治活動と、選挙における人員支援や集票などの選挙活動に分けられる。
前者の日常的政治活動は、秘書の派遣など具体的便益が供与された冷戦下の蜜月期ならいざ知らず、近年では数多い組織・団体から受ける依頼と応答の1つとして処理されることが大半であり、「何が問題か分からない」という福田達夫・前自民党総務会長の発言はこの肌感覚に基づくものだろう。
しかし国民の多くは現在、政治が「リップサービス」や「お墨付き」を超えて何か「特段の便宜」を図ったのではないかとの疑念が払拭されていないと感じている。
後者の選挙活動は、選挙には「貸しと借り」が付き物であり、他の宗教団体との利害調整から慎重に扱われる半面、わらにもすがる心理で信徒を利用する場合もある。公職選挙法では選挙支援は無償で行うことを原則として規定しているため、選挙活動を手伝う信徒はそれだけで貴重であり、なおかつ宗教的情熱が選挙活動に親近性を有するからだ。
その濃淡は結局のところ選挙区情勢によるが、今夏の参議院選挙比例区では安倍元首相の秘書官だった候補者が旧統一教会の全面支援を受けて当選した。民主政の土台である選挙にカルトが直接影響を及ぼすことを有権者が見過ごさないのは当然だ。
問題の本質は、2012年以降の教団減衰期と重なる第2次安倍政権時代に、旧統一教会への警戒感が政治の側で「弛緩」したことではないか。
「天宙平和連合」や「世界平和女性連合」の要望に応える議員が多かったのは、旧統一教会色を薄めた名称の使用や霊感商法報道の減少、オウム真理教事件の風化という客観状況だけではなく、政治回路においてカルトに対する警戒ハードルが低下し、政教分離の緊張感が薄れていたという事情があろう。
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