コラム

首相官邸の心臓部にまで魔の手が...中国ハッカー集団が歴代首相側近の携帯をハッキングしていた!

2026年01月28日(水)16時25分

トランプ大統領、バンス副大統領、ハリス民主党候補も標的

24年米大統領選のドナルド・トランプ大統領、J・D・バンス副大統領、カマラ・ハリス民主党大統領候補およびその陣営の携帯電話が標的にされた。通信ネットワーク専用に開発されたカスタムメイドのバックドアが使われた。

英国内治安情報機関の保安局(MI5)は昨年11月、中国国家安全部が英国議会や民主的機関に対し「執拗かつ計算された」干渉を試みていると警告を発した。中国諜報員がプロフェッショナル向けSNS、リンクトインを悪用し、身分を偽って接触を図っているという内容だ。


実在するヘッドハンターや企業の幹部を装って国家安全部のために活動。議員、秘書、シンクタンク職員、政府顧問らに対し「高額な報酬で地政学的レポートを執筆するフリーランスのコンサルタント」としての仕事を提案し、信頼関係を築こうとしていた。

中国の国家情報法の対象となる企業が製造した監視カメラを撤去

スターマー政権は公務員が使用する暗号化技術や主権技術を更新、機密情報の保護を強化した。全政党にセキュリティーブリーフィングを実施し、中国の国家情報法の対象となる企業が製造した監視カメラを国内外のすべての機密サイトから撤去した。

今回のデーリー・テレグラフ紙の報道を含め、こうした警告はスターマー政権が英国経済を浮揚させるため中国との経済・貿易関係の再構築を模索する極めて繊細な時期に発せられた。スターマー氏は中国との貿易・投資関係確保のため訪中すると報道されている。

18年のテリーザ・メイ首相(保守党)以来となる英国首相の訪中だ。今回の訪中はロンドンに巨大な中国大使館を建設する計画をスターマー政権が承認したことを受けてのものだ。野党からは「政府は中国の脅威に対してより厳しい姿勢を取るべきだ」という声が上がっている。

【関連記事】
中国系スパイ集団「マスタング・パンダ」、ベネズエラ関連のフィッシングメールを米政府に送付
中国政府系ハッカー「ソルト・タイフーン」とは?...アメリカ政府も「打つ手がない」

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

最近の急速なウォン安・円安、深刻な懸念共有=日韓対

ワールド

米戦略石油備蓄の第1弾、来週末までに供給 8600

ビジネス

日立とGEベルノバ、東南アジアで小型モジュール炉導

ワールド

米商務省、AI半導体輸出の新規則案を撤回 公表から
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 2
    有人機の「盾」となる使い捨て無人機...空の戦いに革命をもたらす「新世代ドローン」とは?
  • 3
    イラン攻撃のさなか、トランプが行った「執務室の祈祷」を中国がミーム化...パロディ動画が拡散中
  • 4
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 5
    ファラオが眠る王家の谷に残されていた「インド系言…
  • 6
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 7
    ホルムズ封鎖で中国動く、イランと直接協議へ
  • 8
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    『ある日、家族が死刑囚になって』を考えるヒントに…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 8
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story